金融庁、ガバナンス・コード改訂議論公表ーー人的資本・サステナビリティの位置づけ見直しも論点に

3月27日、金融庁は「コーポレートガバナンス・コードの改訂に関する有識者会議」(2月26日開催)における議事録を公表した。本議論では、サステナビリティの扱いをめぐる複数の重要論点があり、人的資本との位置づけやサステナビリティ開示とコード全体における構造的な整理が焦点となっている。議論では、サステナビリティに関して主に以下の3点につき議論された。
サステナビリティ記載の「ダウンサイド偏重」に課題:
議論では、原則4-4の解釈指針におけるサステナビリティの記載について、リスク管理などダウンサイドに偏っているとの指摘があった。これに対し、サステナビリティはリスク対応にとどまらず、企業価値創造に資する側面も含めて扱うべきとの問題意識が共有されている。
人的資本を「監督対象」として明確に:
有価証券報告書において開示が強化されている人的資本の活用についても言及があった。具体的には、人的資本は企業にとって極めて重要な経営資源であり、取締役会がその活用状況を監督する旨をコード上に明記すべきとの提案が示された。26年3月期より拡充された人的資本開示とも関連するものであり、個別の開示テーマではなく、ガバナンスの対象として位置づける方向性を示唆するものといえる。
有価証券報告書の重要性を共有:
サステナビリティ開示に関する制度整備が進展する中で、有価証券報告書の重要性が一層高まっているとの認識も示された。投資家にとっての主要な情報源としての役割に加え、企業側にとっても議決権行使における有益性が示された。また、コードにおいて将来志向での取り組みも取り込まれることが期待されている。
なお、議論ではコード全体の構成に関する論点も提示された。現行の整理では、サステナビリティに関する内容が大原則には明示されないまま、取締役会の責務を定める章で初めて登場する構成となっている。これに対し「サステナビリティは会社の持続性に関わる根本的テーマ」「取締役会に限定されるものではない」ことを踏まえ、より前段(第1章や第2章)で位置づけるべきではないかとの提案があった。
今後の議論を踏まえると、サステナビリティはリスク対応にとどまらず、企業価値に直結する開示・経営テーマへと高度化していく方向にある。また、個別論点としてではなく、コーポレートガバナンス・コード全体を貫く基盤テーマとして再位置づけされていくことが見込まれる。
原文:「コーポレートガバナンス・コードの改訂に関する有識者会議」(令和7年度第2回)議事録
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