財務と非財務情報のつながりをどう説明するか──SSBJ基準対応の課題と実践ステップ

SSBJ基準による開示制度の導入により、企業は「非財務情報(サステナビリティ関連の取り組み・施策)と財務情報」の関連を説明し、投資家ニーズに応える必要がある。一方、実務では「KPIは開示しているが財務との関係が不明確」「戦略は示しているが数値に結びつかない」など、課題があるのではないだろうか。

本稿では、こうした課題を踏まえつつ、SSBJ基準の開示において「非財務と財務の関連」をどのように整理すべきか実務的な観点から整理する。

非財務・財務はなぜ“つながらない”のか

非財務情報・財務情報の両方とも経営判断において重要な役割があるものの、それぞれを関連させて説明するのが難しいのには、以下の構造的な要因があると考える。

・複雑な因果関係

非財務要素が財務に与える影響は、複数の経路を経て中長期的に現れることが多く、単線的な因果関係として整理しにくい。その結果、「人的投資が重要」「脱炭素を実現」といった定性的な説明にとどまりやすい。

・ 定量化・測定の壁

非財務情報は測定手法や定義が統一されつつあるものの、現状では推計値や定性的情報も多い。財務数値のように一貫した基準(金額など)で把握できないため、そもそも定量化が難しい情報がある。

・ 時間軸の不一致

サステナビリティ関連施策の効果は、中長期で発現する一方、財務情報は年度・四半期といった短期指標・成果が中心。双方の時間軸のズレにより、両者の関係を同一の時間軸(単年度など)で説明しにくい。

・不十分なデータ統合

非財務・財務指標は、それぞれ異なる部門やシステムで管理されているケースも多く、必ずしも一体的にモニタリングされているとは限らない。このため、非財務の取り組みと財務成果の関係性が社内で十分に可視化されず、開示上も両者が並列的に記載される形になりやすい。
※非財務・財務データを横断的に把握・分析できるデータ基盤の整備が、両者を結びつける上で重要な要素となる。

以降、どのように関連性やつながりを説明するか具体的な実践ステップを紹介する。

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続きでは、財務・非財務のつながり(コネクティビティ)をどのように実現するか具体的な論点を解説しています。つながりのパターン例も紹介しているので、自社の開示準備にご活用ください。

・SSBJ基準での財務・非財務の関連性の開示
つなげるための実践ステップ
実務ポイント

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<執筆者

竹内愛子
国際関係学に関する修士号を取得。総合コンサルティングファームにて、システムおよび戦略コンサルティングに従事した後、Big4ファームのアドバイザリー部門にて、ガバナンス・リスクマネジメントや統合報告に関する企業向け支援に携わる。
2022年より ESG Journal にて、サステナビリティ経営の観点から、情報開示実務やそれを支えるシステム活用をテーマに、オリジナル解説およびホワイトペーパーの執筆を行っている。

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