モーメント・エナジー、4000万ドル調達 EV中古電池活用の蓄電事業拡大へ

5月5日、使用済み電気自動車(EV)電池を再利用した蓄電システムを手がける米Moment Energy(モーメント・エナジー)は、シリーズBラウンドで4000万ドルを調達したと発表した。これにより累計調達額は1億ドルを超えた。調達資金を活用し、北米最大級としている「セカンドライフ電池」基盤の拡大と、生産体制の強化を進める。

今回の資金調達はEvok Innovationsが主導し、Liberty Mutual Investments、W23 Global Fund、東京ガスのコーポレートベンチャーキャピタル部門であるAcarioなどが参加した。既存投資家として、アマゾンのClimate Pledge Fund、Voyager Ventures、In-Q-Telも名を連ねている。

人工知能(AI)の普及と電化の進展により、電力需要は急速に高まっている。一方で、既存の電力網は老朽化や供給制約の課題を抱えており、エネルギーの安定確保が産業成長の制約要因になりつつある。こうした中、同社は北米で既に走行しているEVに搭載された電池を新たな国内資源として活用し、蓄電インフラとして再生する事業モデルを打ち出している。

同社によると、EV電池の再利用を実験段階から商用展開へ進め、安全面でも重要な認証を取得した。具体的には、UL 1974とUL 9540Aの認証を取得しており、建築物内でセカンドライフ蓄電システムを展開できる実績を持つ数少ない事業者だとしている。

また、独自の電池パック交換型アーキテクチャーにより、システム寿命を従来型の約15年から30年へと倍増できるとしている。税制優遇措置と組み合わせることで、産業用途では実質コストを大幅に引き下げ、充放電コストを1キロワット時当たり3セントまで抑えられると説明している。

さらに同社は、高密度なセカンドライフ電池システムを開発し、1エーカー当たり最大164メガワット時の蓄電容量を実現できるとしている。データセンターや工場など、限られたスペースで高い収益性が求められる施設向け需要を見込む。

今回調達した資金は、テキサス州のギガファクトリーおよびカナダ・ブリティッシュコロンビア州の施設拡張に充てる。北米産業界向けに、持続可能で地政学リスクの低い蓄電ソリューションの供給を加速させる方針だ。

モーメント・エナジーは、商業規模の蓄電システムを使用済みEV電池から構築する事業を展開しており、データセンター、病院、工場、マイクログリッド向けに北米で導入を進めている。メルセデス・ベンツ・エナジーなど大手自動車メーカーとも連携し、廃棄前のEV電池の有効活用を図っている。

原文:Moment Energy Secures $40M Series B to Scale North America’s Largest Second-Life Battery Platform and Launch the Era of Independent Energy
日本語参考訳:Moment Energy社、北米最大のセカンドライフバッテリープラットフォームの規模拡大と独立エネルギー時代の幕開けに向けて、シリーズBラウンドで4,000万ドルを調達


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