Hydrostor、圧縮空気エネルギー貯蔵プロジェクト展開に向け2億ドルの資金調達を発表

2月13日、長時間エネルギー貯蔵(LDES)技術を開発・運営するHydrostorは、Canada Growth Fund Inc.(CGF)、Goldman Sachs Alternatives(Goldman Sachs)、およびCanada Pension Plan Investment Board(CPP Investments)から、総額2億ドルの投資を受けることを発表した。この投資は、Hydrostorが展開する高度圧縮空気エネルギー貯蔵(A-CAES)プロジェクトをカナダ国内および世界中でさらに推進するためのものとなる。

今回の資金調達には、3社からの1億5000万ドルの転換社債型資金調達と、CGFによる5000万ドルの開発費用向け転換ローン枠が含まれる。このうちCGFの資金は、カナダのプロジェクト開発に充てられる予定であり、オンタリオ州レノックス&アディントン郡で計画されている500 MW/4,000 MWh規模のQuinte Energy Storage Centreプロジェクトがその一例として挙げられる。

Hydrostorは現在、オーストラリアのニューサウスウェールズ州とアメリカのカリフォルニア州での後期段階のプロジェクトについて、2025年の着工を目指している。同社のA-CAES技術は、再生可能エネルギーの統合を促進し、化石燃料に依存した発電所を置き換える手段として注目されている。電力供給の安定化と持続可能なエネルギーへの移行を実現するソリューションとして、グローバルなエネルギーシステムの未来を支えるものと考えられている。

2010年に設立されたHydrostorは、オンタリオ州ゴダリッチにてIESO(独立系電力運営機関)との商業契約による施設を運営しており、カリフォルニア州およびニューサウスウェールズ州でのプロジェクトも進行中だ。同社は、北米、オーストラリア、ヨーロッパを中心に広がる初期段階のプロジェクトパイプラインを持ち、長時間エネルギー貯蔵市場をリードしている。カナダ・トロントに本社を置き、メルボルン(オーストラリア)とデンバー(アメリカ)にオフィスを構える同社は、Goldman SachsやCPP Investments、CGFといった先進的な機関投資家の支援を受けながら、業界を牽引するプロジェクトに注力している。

今回の資金調達発表を通じて、Hydrostorは再生可能エネルギーのさらなる普及に向けた決意を示している。同社の取り組みが、エネルギー分野における革新と持続可能な未来の実現にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目が集まる。

【参照ページ】
(原文)Hydrostor Announces $200 Million in Funding from Leading Investors to AccelerateCanadian and Global Deployment of its Advanced Compressed Air Energy Storage Project
(日本語参考訳)ハイドロスター社、先進的圧縮空気エネルギー貯蔵プロジェクトのカナダおよび世界展開を加速するため、有力投資家から2億ドルの資金調達を発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-24

    GHGプロトコル、企業排出報告の信頼性向上へ―新たな公開協議を実施

    10月20日、温室効果ガス(GHG)排出会計の国際基準を策定するGHGプロトコルは、Scope2基…
  2. <最新>SBTi FLAGの概要とガイダンスの改訂ポイント

    2025-10-20

    <最新>SBTi FLAGの概要とガイダンスの改訂ポイント

    2025年10月に、SBTi(Science Based Targets initiative)は…
  3. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る