中国財政部、6億元規模の人民元建てグリーンボンドをロンドン証券取引所に上場

4月3日、中国財政部(MOF)は、人民元建てグリーンボンド6億元分(満期3年および5年、約118億円)を発行し、ロンドン証券取引所の国際証券市場(ISC)に上場した。この発行は、人民元の国際化およびグリーン・サステナブル開発への中国の取り組みを示す重要な節目である。

中国は2013年以降、「生態文明」を国家ガバナンスの中核に据え、経済・政治・文化・社会・生態の「五位一体」発展戦略に統合してきた。また、「革新・協調・グリーン・開放・共有」の新たな発展理念を掲げ、持続可能な成長を推進している。2020年9月には、2030年までのカーボンピークアウト(温室効果ガスの排出量がピークに達した後、減少に転じること)および2060年のカーボンニュートラルを目指すことを宣言した。

今回のグリーンボンドは、2025年2月に策定された「People’s Republic of China Sovereign Green Bond Framework」に基づき発行されたものである。このフレームワークは、中国が国際的なソブリン・グリーンボンドの発行に向けて初めて構築したもので、国内外のセカンド・パーティ・オピニオン機関によって評価されている。フレームワークは、China Green Bond Principles(2022年版)およびInternational Capital Markets Association(ICMA)のGreen Bond Principles(2021年版・2022年6月補遺)に準拠して設計されている。

中国はこのグリーンボンド発行を通じて、国内発行体の参加を促し、国際グリーン金融市場への投資を活性化させる意向である。今回の上場は、持続可能な資本市場発展に向けた中国の積極的な姿勢を世界に示すものとなった。

(原文)Ministry of Finance of the People’s Republic of China launches inaugural Sovereign Green Bonds Issuance
(日本語参考訳)中華人民共和国財政省が初のソブリングリーンボンド発行を開始

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