上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に関しても、情報開示を進める考え方が広がりつつある。ここでは、ウェルビーイングの概念と要素、人的資本経営との関係、投資家やアナリストが期待する人的資本やウェルビーイングに関して、具体的な取り組みおよび開示の事例やポイントを紹介する。
ウェルビーイングの概要
2024年版の世界の幸福度ランキングでは、日本は51となり、去年から4ランクダウン。仕事は人生の主要な面の一つであることを考えると、ウェルビーイング経営が今の社会にますます必要になってきている。
ウェルビーイングは、個々が自分の人生に満足し、充実感を得ることを指す概念であり、健康や幸福に留まらず、生活の質や意味を包括する。WHOでは「身体的、精神的、社会的なウェルビーイングの状態であり、単に病気や虚弱がない状態を指すのではない」とある。
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執筆者紹介
マルティネス リリアナ (ESG Journal 専属ライター) サステナビリティ学修士。シンクタンクにて海洋・大気環境に関する政策の策定支援を行う。国際海事機関(IMO)ではTechnical Advisorとして国際議論への参加経験を積み、その後、気候変動課題を中心に企業向けにコンサルティングを行う。非財務情報開示フレームワークからサステナビリティの国際動向まで幅広くコラムやホワイトペーパーで解説。 |