![CSRD・ESRSのトピック別開示項目の紹介#1 CSRD・ESRSのトピック別開示項目の紹介#1](https://esgjournaljapan.com/wp-content/uploads/2024/06/ESRS1.jpg)
2024年1月から適用が開始されているCSRDは欧州内での非財務情報開示に関する統一的な制度であり、ESRS(European Sustainability Reporting Standards )は開示基準を定めている。欧州に進出している日本企業の多くは、対応を求められているところであり、ESRS項目への理解をはかっているところであろう。ここでは、ESRSについて全般的開示要求事項と10の課題のポイントを2回に分けて説明する。
CSRD/ESRSの違いとは
CSRDの目的は、欧州内サステナビリティ報告を標準化することである。これにより、金融機関・投資家などを含むマルチステークホルダーに向け「比較可能」かつ「信頼性の高い」サステナビリティ情報の提供が可能となる。CSRDでは、主に適用対象や時期、開示プロセスや保証について説明され、ESRSでは具体的な開示項目を説明している。(参考:CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介
)
また、ESRSも全般的開示要求事項(共通事項や認識)と10の課題ごとの基準(ESRS E1-5、S1-4、G1)に分かれていて、一部、TCFD(Task Force on Climate-Related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)とも整合している。
ESRSの全般的開示要求事項
全般的開示要求事項とは、開示する概念や対象を規定したもの。報告準備に必要な情報が記載されている。なお、ESRSは、ドラフト版が2023年7月に承認されており、ここでは、ドラフト版を元に全般的開示要求事項の詳細を紹介する。また、企業において想定される利用方法についても示す。
ESRS 1 報告プロセスの概念(一般的要件)
ESRS 1は、ESRSの概念(考え方、項目ごとの構成、ガイドラインのたてつけ)を示しているほか、報告期間、対象、情報の質に対する考え方を示している。開示に必要な概念を整理しているので、ESRS1の項目に対して、1対1で対応する基準が個別にあるわけではない。後述する項目(環境・社会・ガバナンス)を開示する際、ESRS1にて定められた事項を踏ふまえておくことが重要である。
ESRS1では、主に下記の事項について定められている。
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