2024年1月から適用が開始されているCSRDは欧州内での非財務情報開示に関する統一的な制度であり、ESRS(European Sustainability Reporting Standards )は開示基準を定めている。欧州に進出している日本企業の多くは、対応を求められているところであり、ESRS項目への理解をはかっているところであろう。ここでは、ESRSについて全般的開示要求事項と10の課題のポイントを2回に分けて説明する。
本稿では、全般的開示要求事項として定められている事項の概要を説明している。また、自社内においてどのように使うとよいか、示唆(想定利用)についても言及している。
CSRD/ESRSの違いとは
CSRDの目的は、欧州内サステナビリティ報告を標準化することである。これにより、金融機関・投資家などを含むマルチステークホルダーに向け「比較可能」かつ「信頼性の高い」サステナビリティ情報の提供が可能となる。CSRDでは、主に適用対象や時期、開示プロセスや保証について説明され、ESRSでは具体的な開示項目を説明している。(参考:CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介
)
また、ESRSも全般的開示要求事項(共通事項や認識)と10の課題ごとの基準(ESRS E1-5、S1-4、G1)に分かれていて、一部、TCFD(Task Force on Climate-Related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)とも整合している。
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