6月5日、H&Mグループは、SBTi(Science Based Targets initiative)が、企業のネット・ゼロ目標設定の基準において、スコープ3のバリューチェーン排出量に対応するために、自主的炭素市場(VCM)を通じたオフセットを認めるという計画などに懸念を表明し書簡を公表した。
SBTi理事会への書簡の中で、企業のバリューチェーンにおける絶対的な排出量削減に焦点を当てるべきだと主張している。また、VCMクレジットの使用はその手段として不適切であると述べる。同社は、複雑な脱炭素化を支援するためのメカニズムの構築を提案し、閾値、原則を定めることが必要だと指摘している。
さらに、H&Mは、SBTiに対し、バリューチェーンを超えた緩和策に関する科学的根拠に基づく目標を設定し続けるよう求めている。企業がVCMクレジットを適切に活用しつつ、実際の脱炭素化を達成するための行動を取ることが可能となるとしている。なお、H&Mは、SBTiがこれまでに企業の気候変動対策の高い基準を設定してきたことに対する評価を述べ、今後も科学的根拠に基づく目標設定を維持し続けることを期待しているともしている。
【参考ページ】
(原文)To the Science Based Targets initiative Board of trustees,