WBCSD、CFO向けにESGの「S」を進める入門書を発表

 

3月7日、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)は、Shiftと共同で、CFO向けにESGの「S」を進めるための入門書を発表した。

社会的課題は、ビジネス・アジェンダの中でより高い優先度を持つようになってきている。これは、不平等が事業運営、バリューチェーン、ビジネスモデルの回復力を脅かすシステミックリスクであるとの認識が高まっていることが一因である。新たなデューデリジェンス規制や報告基準により、企業に期待されることが明確になってきている。

CFOは、企業の社会的パフォーマンスを伝える上で、企業の影響と財務パフォーマンスを結びつける役割を担っており、発展的ではあるが重要な役割を担っている。また、CFOは、投資家、規制当局、基準設定者と連携し、社内および社外のステークホルダーによる「S」の測定・評価方法を指導・実施することが求められている。

本入門書は、CFOネットワークのCFOと共に作成され、企業の社会的パフォーマンスの「何を」「誰が」「どのように」の概要と、そのパフォーマンスの測定を改善するための主要な推奨事項を網羅し、新たな要求と課題に取り組むCFOに重要な出発点を提供する。

一連の作業は、WBCSDのCFOネットワークの一部であり、あらゆるセクターや地域から50名のCFO が集まっている。CFOネットワークのメンバーは、オープンな議論やグローバルな基準設定プロセスへのインプットを通じて、ESGの「S」の水準を高めるために協力している。

【参照ページ】
Advancing the “S” in ESG

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