オーストラリア財務省、サステナブルファイナンスで各種規制強化

11月2日、オーストラリア財務省が発表したサステナブルファイナンス戦略に関する方針によれば、同省は12月1日までパブリックコメントを募集すると発表した。

本戦略は、以下の3つの柱で構成されている。「気候変動とサステナビリティに関する透明性の向上」、「金融システム能力」、そして「オーストラリア政府のリーダーシップとエンゲージメント」が具体的な焦点となっている。

気候変動とサステナビリティの透明性向上において、具体的な取り組みとして、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の「IFRS S2」と整合するためのオーストラリアの開示基準の策定や、サステナブルファイナンス・タクソノミーの設定が挙げられる。また、移行計画(トランジション・プラン)の開示義務化も重要な一環となり、グリーンウォッシュを規制するための投資商品のラベリング規制については、2024年に検討が開始される予定である。

金融システムの能力向上においては、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)の市場監督力の強化や、サステナビリティに起因する金融システミックリスクへの対策の強化が述べられている。投資家と企業の両方に関するサステナビリティデータの問題に対処するため、実効的なアイデアを求め、2024年までに提言をまとめる予定とのことだ。同時に、機関投資家のスチュワードシップに関しては、サステナビリティが企業の長期的なパフォーマンス向上に寄与するフレームワークの策定が進められる。

オーストラリア政府のリーダーシップとエンゲージメントにおいては、グリーンボンド国債の発行やクリーンエネルギー金融公社(CFFC)による資金供給が挙げられている。これらの取り組みを通じ、オーストラリアは世界と地域のサステナビリティ・リーダーシップを目指す。最後に、自然に関連しては、ASICが自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言を考慮に入れ、規制ガイダンスの策定に取り組むことが明らかにされた。

【参照ページ】
(原文)Sustainable Finance Strategy
(日本語参考訳)持続可能な金融戦略

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