GRI労働関連基準の改訂状況と人的資本開示との対応関係を解説 (最新情報追加)

※本記事は、2025年7月掲載の記事に2026年2月時点の最新情報について追記・編集したものである。
GRI(Global Reporting Initiative:グローバル・レポーティング・イニシアチブ)は、労働関連の基準の再構成について2024年から順次承認されており、より労働の実態や労働者への影響を可視化する実質重視の開示へと転換しようとしている。2026年内には、改訂作業が完了して最終版が公表される予定である。
本稿では、このGRIの労働関連基準の改訂の背景と構造に加え、投資家の関心や人的資本の開示(有価証券報告書)との関連性を照合し、一覧化のうえ解説する。また、実効性の高い「開示実務」のポイントや留意点も紹介している。
労働関連基準の更新の背景と流れ
GRIは、国際的な人権基準との整合性や雇用・労働における実質的なインパクト可視化に向け、基準の大幅な見直しプロジェクトを始動している(2022年~)。国際的な人権の観点、働き方の変化、投資家の関心を取り入れた基準として更新される予定だ。
※本記事は2025年7月時点のものであるため変更があった場合には更新される。
対象となる基準
GRI基準では、以下を更新の対象としている。
GRI 202: Market Presence 2016 、
GRI 401: Employment 2016 、
GRI 402: Labor/Management Relations 2016 、
GRI 404: Training and Education 2016 、
GRI 405: Diversity and Equal Opportunity 2016
GRI 406: Non-Discrimination 2016、
GRI 407: Freedom of Association and Collective Bargaining 2016、
GRI 408: Child Labor 2016 、
GRI 409: Forced or Compulsory Labor 2016、
GRI 414: Supplier Social Assessment 2016
※GRI 403は2021年に改定されたため、今回の改訂の対象外となっている。410は、紛争地域における武力行使などに関連する重要な課題と考えられ、対象外。
今後の改訂スケジュール
改訂の対象となる基準は、以下の3つのグループおよびビジネス関係における労働者の権利」、「結社の自由および団体交渉」、「強制労働」および「児童労働」に分けられている。
①雇用慣行と労働条件
GRI SICH: Significant Changes for Workers 202x
GRI EMPL: Employment 202x
GRI REWO: Remuneration and Working Time 202x
GRI Control of Work Standard Interpretation to GRI 2 Exposure draft
②生活とキャリア開発
GRI PARE: Working Parents and Caregivers 202X
GRI TRED: Training and Education 202X
③労働者の権利と保護 ※2026年2月追加
GRI NDEO: Non-discrimination and Equal Opportunity 202X
GRI DIVE: Diversity and Inclusion 202X
なお、③については、基準案のパブリックコメントが2025 年7 月1日から9月15日まで受付られていた。①②③のすべてにおいて、既にパブリックコメントの分析と反映作業に入り最終承認が進められた。なお、「ビジネス関係における労働者の権利」、「結社の自由および団体交渉」「強制労働」「児童労働」に関する新基準の公開草案は、26年3月までにパブリックコメントの募集が行われている。
最終的には、①~③の基準が26年末までには新基準として公開されることが想定されている。(※2026年2月追加・修正)
労働連の基準の改訂ポイント
GRIの新しい労働関連の基準は、従来の個別トピックごとに独立していた内容を「横断的・テーマ別」に再分類する方向にあると考える。
以下は、旧基準と新基準の対応関係を独自に分析し表形式で整理している。また、人的資本の開示との関連性を鑑みながら開示のポイントについても言及しているため、自社の社会領域開示の強化への参考としてほしい。
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執筆者紹介
![]() | 竹内 愛子 (ESG Journal 専属ライター) 大手会計事務所にてサステナビリティ推進や統合報告書作成にかかわるアドバイザリー業務に従事を経て、WEBディレクションや企画・サステナビリティ関連記事の執筆に転身。アジアの国際関係学に関する修士号を取得、タイタマサート大学留学。専門はアジア地域での持続可能な発展に関する開発経済学。 |


