オーストラリア、企業向けグリーンウォッシュ防止ガイダンスを発表

オーストラリア、企業向けグリーンウォッシュ防止ガイダンスを発表

12月13日、オーストラリアの競争規制機関であるオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は、企業が誤解を招くようなグリーン・マーケティングやグリーン・クレームの広告を避けるための規則を遵守し、消費者をグリーンウォッシュから守ることを目的とした、環境クレームに関する最終ガイダンスを発表した。

新しいガイダンスは、今年初めにACCCが発表した調査結果を受けたもので、調査対象となった企業の57%が、自社の環境保全に関する主張を行っていたことが明らかになった。本調査の発表を受けて、規制当局は、グリーンウォッシングの可能性がある企業を調査し、環境主張の完全性を向上させるために、企業への教育活動を実施し、ガイダンスを更新すると発表した。規制当局は2023年7月にガイダンスの草案を発表し、その最終版には消費者、企業、環境団体を含む150以上の利害関係者からのフィードバックが盛り込まれていると述べた。

最終ガイダンスには、企業がグリーンクレームを明確で正確なものとし、誤解を招かないようにすることを目的とした8つの主要原則が含まれている。原則には、正確で真実の主張を行うこと、事実上正しい主張であっても消費者に誤解を与える可能性があるため、企業が提示する全体的な印象を考慮する必要があること、主張に関する調査、証拠、データに簡単にアクセスできるようにするなど、主張を裏付ける証拠を持つこと、重要な情報を隠したり省略したりしないこと、条件や資格を説明すること、広範で限定的でない主張を避けること、明確でわかりやすい言葉を使用すること、視覚的要素が環境上の利点について誤った印象を与えないようにすること、企業の持続可能性の移行について直接的でオープンであることなどが含まれている。

また、本ガイダンスでは、虚偽または誤解を招くような表示を行った企業に対してACCCが取ることのできる措置の概要が示されており、罰則は、違反による利益の評価額の3倍、または関連する期間における企業の収益の最大30%である5,000万ドル(約71億円)に達する。

ACCCは、2024年初頭に排出量とオフセットの主張、およびトラストマークの使用に関するさらなるガイダンスを発表する予定であり、規制当局はまた、消費者が環境主張を評価し信頼できるようにすることを目的としたガイダンスを作成する予定であると述べた。

【参照ページ】
(原文)The ACCC’s final guidance on environmental claims: it’s all in the detail
(日本語参考訳)オーストラリア、企業向けグリーンウォッシュ防止ガイダンスを発表

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