12月、投資大手のブラックロックは、「2024 Private Markets Outlook」を発表し、低炭素社会への移行を、今後1年間で「大きな投資機会」をもたらすと予想するいくつかの重要な「メガフォース」の1つとして挙げ、クリーンエネルギーや電化など、インフラ関連の具体的な分野を挙げた。
ブラックロックは報告書の中で、低炭素経済への移行のためにエネルギーシステムの配線を変更する必要性により、「資本の大規模な再配分」が予想されることを強調している。同社は、ブラックロック投資研究所の移行シナリオ(BIITS)によると、2050年までに世界のエネルギーの70%を低炭素エネルギーが占めるようになると予測しており、その結果、世界のエネルギーシステムへの資本投資は2050年までに倍増し、年間4兆ドル(約574兆円)に達する可能性があるとしている。ブラックロックは、BIITSを開発し、低炭素社会への移行がどのように進むか、またポートフォリオに与える潜在的な影響を評価するのに役立てると述べている。
脱炭素ソリューションに加え、ブラックロックは、気候レジリエンス(気候災害への準備と適応)、および気候関連被害後の再建における投資機会にも注目している。
本報告書は、ブラックロックがここ数ヶ月の間に気候変動やエネルギー転換に関連するインフラ機会に取り組んできた一連の動きに続くものである。本ファンドは、UAEの新しい気候変動投資プラットフォームであるALTÉRRAからすでに10億ドル(約1,416億円)のコミットメントを得ており、ALTÉRRAからのさらに10億ドル(約1,416億円)は、ブラックロックのインフラ株式戦略を通じて、気候変動関連のインフラに投資される。また11月には、エネルギー移行とエネルギー安全保障に特化したエバーグリーン・インフラストラクチャー・ファンドの初回クローズで、約10億ドル(約1,416億円)の顧客コミットメントを集めたと発表した。
同報告書ではこのほか、「デジタル・ディスラプションとAI」、「人口動態の乖離」、「金融の未来」、「地政学的分断化」など、民間市場のメガトレンドが取り上げられている。
【参照ページ】
2024 Private Markets Outlook