TotalEnergies、人権侵害と株主からの圧力を理由にミャンマーから撤退

TotalEnergies、人権侵害と株主からの圧力を理由にミャンマーから撤退

1月21日、エネルギー企業であるTotalEnergies社は、ミャンマーにおける人権侵害の悪化や株主やその他のステークホルダーからの圧力を理由に、ミャンマーから完全に撤退する計画を発表した。

2021年初頭に発生したクーデターにより、アウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟から軍が支配権を奪い、数千人の死者と逮捕者を出したことを受け、TotalEnergies社は同国で進行中のすべてのプロジェクトを停止した。なお、ヤダナガス田からのガス生産は、パートナーのシェブロン、タイの国営エネルギー会社PTT、ミャンマーの国営企業MOGE(15%の権益を保有)とともに継続している。

ヤダナガスプロジェクトは、ミャンマー最大の都市ヤンゴンの人口の約半分に加え、タイにも電力を供給しており、TotalEnergiesやChevronなどの世界的なエネルギー企業は、プロジェクトを停止するとヤンゴンの住民の状況がさらに悪化する可能性がある一方で、操業を継続するとMOGEを通じて国に収入が入るというジレンマを抱えている。TotalEnergies社はプロジェクトからの資金の流れをエスクロー口座に限定する制裁措置を講じるためにフランス政府に働きかけたが、その手段を見つけることができなかったという。

TotalEnergies社は、同社のウェブサイトに掲載された声明の中で、株主、国際機関、ビルマの市民社会組織などのステークホルダーからMOGEを通じた国への収入を止めるよう圧力を受けていると述べている。クーデター以降、人権状況がさらに悪化していることから、同社は今回、ヤダナ油田およびMGTCガス輸送システムからオペレーターおよび株主として撤退することを進めることにしたと述べている。

【参照ページ】
(原文)TotalEnergies withdraws from Myanmar
(日本語訳)TotalEnergies、人権侵害と株主からの圧力を理由にミャンマーから撤退

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