カナダ、独自のサステナブル投資指針始動 気候研究機関が主導

12月18日、カナダ政府は、ネットゼロ移行に向けた資金動員を目的とする「カナダ版サステナブル投資指針(タクソノミー)」の策定主体として、カナディアン・クライメート・インスティテュートを選定したと発表した。財務・国税相フランソワ・フィリップ・シャンパーニュ氏が明らかにした。
同指針は、独立性の高いガバナンスの下で策定され、国際的な科学ベースのタクソノミーや枠組みとの整合性を重視する。投資家や金融機関にとって、「グリーン」および「トランジション」投資を信頼性高く識別するための任意の市場ツールとなる位置づけだ。
策定は、投資家主導の取り組みであるビジネス・フューチャー・パスウェイズと連携して進められる。新たに独立したタクソノミー評議会を設置し、学術界、金融セクター、市民社会、気候科学、先住民代表などが参加する。加えて、主要産業分野ごとの専門ワーキンググループも立ち上げ、科学的基準の検討と利害関係者との対話を行う。
評議会は、優先3分野の投資指針を2026年末までに確定し、さらに3分野を2027年秋までに完成させる計画である。分野選定は、排出削減効果と低炭素競争力への寄与を基準に進められる。
政府は今後もグリーンボンドの定期発行を継続し、サステナブル債券フレームワークの検討を進める方針だ。また、州・準州と連携し、国際基準に整合した気候情報開示の強化にも取り組むとしている。
(原文)Government announces next steps toward made-in-Canada sustainable investment guidelines
(日本語参考訳)政府はカナダ産持続可能な投資ガイドラインに向けた次のステップを発表

