Bayer、業界初の農業用デジタルカーボンフットプリント測定ソリューション「Project Carbonview」を発表
12月8日、Bayer、Bushel、Amazon Web Services(AWS)の3社は、「Project Carbonview」を発表した。このプロジェクトは、Bayerが構想を練り、Bushel社およびAWS社と共同で開発したものである。これは、最終製品のカーボンフットプリントを集計することで、米国の農家がより持続可能なサプライチェーンを推進し、農業が環境に与える影響を軽減するための、世界初の技術ソリューションだ。
米国を対象としたプロジェクト「Carbonview」では、まず、米国のエタノール生産者(トウモロコシはエタノール生産の主要原料)が、植え付けから生産までのサプライチェーン全体の炭素排出量を追跡し、より多くの情報に基づいた購買決定を行い、炭素排出量を削減するために必要なデータを提供することで、より持続可能なビジネス慣行を実施することができる。このプログラムに参加した農家は、BayerのClimate FieldView™アプリケーションを使用して農場でのデータ収集を合理化し、Bushel社のプラットフォームの米国内のアクティブユーザー54,000人から収集した配送・輸送データと接続する。Climate FieldView™プラットフォームを通じて、農家は引き続き自分のデータを所有し、データを共有する相手を選ぶことができる。
AWS上に構築されたProject Carbonviewでは、Bushelプラットフォームを介してエタノール生産施設からオンデマンドで製品取引や作物交換市場データへのアクセスが許可されており、調達や購入の意思決定による二酸化炭素の影響を評価することができる。
最近行われた試験では、「Project Carbonview」により、サプライチェーンのパートナーを最適化することで、1年間でスコープ3(下流のサプライチェーン)の排出量を削減する機会が得られた。プロジェクト・カーボンビューは、農家の方々にとって、進化する市場に参加し、そこから価値を得るための新たな選択肢となる。Bayerは、既存のバイエルカーボンイニシアティブを補完するために、農家向けのプログラムの構築に取り組んでいる。バイエルカーボンイニシアティブは、気候変動に配慮した農法の採用を奨励するプログラムであり、炭素を土壌にとどめ、大気中に放出しないようにする技術を採用する農家に新たな収入源を提供するものだ。
プロジェクト・カーボンビューのチームは、2022年のシーズンに米国のトウモロコシ生産者を対象にこのソリューションを試験的に導入しており、将来的には世界の他の地域や、大豆などの他の飼料穀物、食用穀物、油糧種子にもプログラムを拡大する予定だ。今回の試験運用では、「Project Carbonview」がエタノール生産者の排出量報告にトウモロコシ生産の影響をどのように取り込むことができるかを検討するとともに、排出量ベンチマークを達成するためのベストプラクティスを専用コミュニティ内で共有する機会も設けている。
【参照ページ】
(原文)Bayer to launch Project Carbonview, an industry-first digital carbon footprint measurement solution for agriculture
(日本語訳)バイエル、業界初の農業用デジタルカーボンフットプリント測定ソリューション「Project Carbonview」を発表