12月9日、エネルギーおよび商品市場の情報、ベンチマーク、分析を提供するS&P Global Plattsは、エネルギー転換においてますます重要な役割を果たすであろう商品の透明性を高めることを目的とした、一連のカーボンニュートラル水素(CNH)の価格評価を開始した。
この新しい評価は、北西ヨーロッパ、中東、極東アジア、オーストラリア、カリフォルニア、米国メキシコ湾岸の主要なハブにおいて、製造施設から出荷される水素のカーボンニュートラルな価値を反映したものである。
水素は、よりクリーンなエネルギーへの移行のための重要な構成要素の一つと考えられており、特に風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる解決策が現実的でない、排出量の削減が困難な分野において、重要な役割を果たす。S&P Global Platts Analytics社によると、新たな低炭素水素製造のパイプラインは、2030年までに約1250万トンと推定されており、主に電力、工業、化学、モビリティーセクターからの需要に牽引される。
近年、他の物質から水素を抽出する様々な低炭素手法が登場しており、再生可能エネルギーを利用した電気分解プロセスで水から水素を抽出するグリーン水素や、天然ガスを水素とCO₂に変換して回収し、永久に貯蔵するブルー水素などがある。
Platts社によると、この新しい評価では、水素をそのような分類のない商品として捉え、低排出電力の発電機を使用して排出を回避し、炭素回収・貯蔵によって排出を除去し、炭素クレジットまたは同等の手段を用いてオフセットするカーボンニュートラルな取引活動を考慮している。
Platts社が発表した最初の評価によると、12月9日のCNHの価格は、米国のCNH(Platts USGC CNH)が1.70ドル/kg、NWヨーロッパのCNHが8.30ドル/kgとなっている。
【参照ページ】
(原文)S&P Global Platts Launches First Carbon Neutral Hydrogen Assessments
(日本語訳)S&P Global Platts、カーボンニュートラルな水素の価格評価を開始