GFANZ、金融業界の気候変動対策コミットメントを実行に移すためのフレームワークを発表

6月15日、国連の支援を受け、気候変動に焦点を当てた金融機関の連合体であるGlasgow Financial Alliance for Net Zero (GFANZ) は、投資家、銀行、保険会社、その他の金融サービスプロバイダーがネット・ゼロの約束を実行に移すための指針となる、ネット・ゼロ移行計画 (NZTP) フレームワークを提案し、開始を発表した。

2021年4月に発足したGFANZは、資産所有者や運用者、銀行、保険会社、投資コンサルタント、サービスプロバイダー、投資家など金融業界全体のセクターを代表する複数の主要なネット・ゼロ団体を結集している。当連合は、世界中で450社以上のメンバー企業に達しており、130兆ドル(約1京7,490兆円)以上の資産を代表している。

【関連記事】ネット・ゼロを目指す金融連合GFANZ、COP26にて進捗を報告。参画機関の資産は約1.5京円に

GFANZのメンバーは、2050年までにすべての排出範囲においてネット・ゼロを達成するために、科学的根拠に基づくガイドラインを使用し、中間目標の設定、進捗に関する透明性のある報告および会計を提供するなど、地球規模の気候目標支援にコミットしている。

GFANZの新しいフレームワークの草稿は、上記コミットメントを実行に移すために、企業が信頼できる、科学と整合した移行計画を策定し、実施するためのセクター全体のガイダンス提供を目的としている。

フレームワークでは、ネット・ゼロ計画の主要な構成要素として、目標・マイルストーン・スケジュールを含む計画の目的と優先順位の設定、1.5℃パスウェイと製品・サービスの整合性を含む実施戦略、中核的意思決定プロセスへのネット・ゼロ目標統合と優先分野の政策の確立、顧客・ポートフォリオ企業・業界関係者・政府・公共部門に対する組織の関与戦略などを示している。また、本フレームワークでは、ネット・ゼロの戦略と優先事項を支える主要な指標に対して目標を設定するための推奨事項を示している。

【参照ページ】
(原文)GFANZ Financial Institution Net-zero Transition Plans

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-6

    CDPとTNFD、2025年質問票の対応マッピングを公開

    10月22日、CDPとTNFDは、CDP 2025年版企業質問票とTNFD開示推奨項目・指標との対…
  2. TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    2025-11-5

    TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    ※2025年11月4日公開済みの記事にTNFDが発行した「Nature in transition…
  3. 2025-10-29

    イベントレポート サステナビリティ経営フォーラム2025

    『本質に迫る対話とデータ活用 ~信頼を築く情報開示と戦略の再構築~』 ESG Journal…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る