大手建材メーカーHolcim、集めた炭素から建材を開発するBlue Planet Systems社に出資

6月14日、大手建材メーカーのHolcim(ホルシム)は、排出された炭素を骨材に封じ込め、コンクリートをカーボンニュートラルにする技術を提供するBlue Planet Systems(ブループラネット)への出資を発表した。

建築資材メーカーは、主要製品の炭素集約度から気候変動との戦いにおいてますます注目されるようになっている。コンクリートの材料であるセメントの生産は、世界のCO2排出量の約8%を占め、材料1000kgを生産するごとに900kg以上のCO2が排出される。

ブループラネットの鉱化技術は、廃棄物のCO2と廃棄物から調達したカルシウムを組み合わせ、合成石灰石骨材を製造するものだ。鉱化処理では、再生コンクリート、セメントキルンダスト、スラグなどの産業廃棄物を消費して、新しい骨材を生産できる。1トンの骨材につき、最大440kgのCO2を無機化し、大気中への排出を防ぐという。

建築ソリューション企業のLafarge Canada(ラファージュ・カナダ)とHolcim USで構成されるHolcim North Americaと、ブループラネットは、セメント、骨材、コンクリート事業のCO2排出量をさらに削減するために、鉱化技術の利用における戦略的協力関係を開始し、ホルシム・グループの他の事業に拡大する予定だ。

【関連記事】HolcimとEni、捕集した炭素を再利用したグリーンセメント製造における提携を発表

【参照ページ】
(原文)Holcim North America to Scale up Mineralization Technology Leading Industry Transition to Net Zero

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-6

    CDPとTNFD、2025年質問票の対応マッピングを公開

    10月22日、CDPとTNFDは、CDP 2025年版企業質問票とTNFD開示推奨項目・指標との対…
  2. 2025-11-6

    ISSB、国際的なサステナビリティ開示の「グローバル・パスポート」構想を発表

    10月30日、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、ロンドンで開催された「IFRSサステナ…
  3. TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    2025-11-5

    TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    ※2025年11月4日公開済みの記事にTNFDが発行した「Nature in transition…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る