6月14日、欧州議会議員(MEP)は、原子力とガスエネルギーをEU分類法の下で環境的に持続可能な活動として分類することへの異議申し立てを支持した。異議申し立ては、経済通貨委員会および環境・公衆衛生・食品安全委員会の欧州議会議員の大多数(76対64)により支持され、原子力とガスがEUのグリーン投資分類システムから外される可能性があるとの見通しが示された。
EUタクソノミは、EUのサステナブルファイナンスに関する技術専門家グループ(EU TEG)が策定した「サステナブルファイナンスに関するEU行動計画」の一部である。本タクソノミは、気候変動の緩和や気候変動への適応をはじめとするEUの主要な環境目標に貢献する経済活動を分類するシステムである。
【関連記事】欧州委員会、特定のガス及び原子力をEUタクソノミーにおけるグリーン投資に含めることを提案
当規制は今年初めに施行されたが、原子力とガスについては、欧州委員会がタクソノミに含めるための基準と開示規則を提案する委任法を公表するまで、当初はその位置づけが未定であった。法律の公表により、本提案は欧州理事会の議会と理事会に引き継がれ、理事会では適格多数(加盟国の72%)、議会では過半数(50%以上)の反対票がない限り、正式に採択される。
ガスと原子力は、化石燃料を使用した電力からより環境に優しいエネルギーシステムへの移行を促進するために必要な移行エネルギー源とみなされることが多い。しかし、欧州委員会のサステナブルファイナンスに関する諮問グループ「EUプラットフォーム on Sustainable Finance」は最近、ガスと原子力を分類法におけるグリーン活動に分類することに反対し、分類法の移行活動の枠組みにおける「緩和目標に実質的に貢献し著しい損害を与えない」という厳しい基準に適合しないと警告している。
【関連記事】欧州委員会の専門家グループ、ガスと原子力を含むグリーンタクソノミー提案に反対
今回の決議の採決は7月上旬に予定されており、議会と理事会は7月11日までに欧州委員会の提案に拒否権を発動するかどうかを決定する。
【参照ページ】
(原文)EU lawmaker panels object to ‘green’ label for gas, nuclear investments
(日本語訳)EU議員団、原子力とガスをグリーン投資分類から除外することを決定