6月15日、国連が支援する気候変動対策キャンペーン「Race to Zero」は、基準を改定し、企業、金融機関、自治体、その他の団体が加盟・維持するために満たすべき要件の強化を発表した。
2020年に開始された「Race to Zero」は、2030年までに世界の排出量を半減し、2050年までのネット・ゼロ達成を約束する企業・都市・地域・投資家のリーダーシップと支援の結集を目的としたグローバルキャンペーンで、気候変動枠組み条約(UNFCCC)の管理下で設立されたものだ。同キャンペーンには、7,000社以上の企業、540の金融機関、1,100の都市などが参加するまでに成長した。
キャンペーンに参加するためには、2050年までにネット・ゼロを達成すること、2030年の中間目標を約束すること、目標達成のために必要な行動を説明すること、目標に対する進捗状況の報告を約束することなど、厳格な要件を満たす必要がある。
200人以上の専門家や市民団体と協議した結果、改訂された要件はキャンペーン参加者のハードルを上げるものだ。新たな基準には、キャンペーン参加後12ヶ月以内に移行計画を公表すること、金融機関の融資やポートフォリオ排出を含むすべての排出範囲でネット・ゼロを達成すること、ロビー活動や提言活動をネット・ゼロに合わせ、国や地方レベルでキャンペーンと整合性のある気候政策を積極的に支持することが含まれている。
また、本基準には、新たな化石燃料資産の開発や融資を制限し、新たな石炭プロジェクトを行わないなど、化石燃料を段階的に削減する明確な要件が追加されている。
新しい基準は、Race to Zeroキャンペーンに新規に応募した人に直ちに適用され、既存のメンバーも1年以内に基準を満たすことが求められる。
【参照ページ】
(原文)‘Race to Zero’ campaign updates criteria to raise the bar on net zero delivery
(日本語訳)「Race to Zero」キャンペーンが基準を更新し、ネットゼロ配信の水準を引き上げ