6月13日、デンマーク職域年金基金アカデミカーペンションは、トヨタ自動車の気候変動関連ロビー活動に対する懸念を表明した。今回の表明は日本の自動車大手トヨタの年次総会が開催されることに起因している。
アカデミカーペンションは、世界において各国政府が内燃機関搭載車を廃止しようとしている一方で、トヨタはロビー活動によって、自動車業界のグリーン化を遅らせることの要因となっていると主張した。
アカデミカーペンションは2021年3月以降、トヨタと集中的に対話を行い、その結果、トヨタがロビー活動のあり方を見直し、変更することを約束した。そして、大晦日を前に、トヨタは「気候公共政策に対するトヨタの見解2021」で、ロビー活動の一部を報告した。
しかし、本報告書は投資家の期待に応えるものではなく、トヨタは米国、英国、フランスなどで気候変動関連の規制や政策に反対するロビー活動を続けている。
アカデミカーペンションは、トヨタがロビー活動を自主的に見直すことを約束したため、2021年の総会前に株主提案を撤回することを選択した。しかし、同社はロビー活動を平然と続けているため、アカデミカーペンションは今年も定時株主総会に株主提案を提出した。トヨタ自動車はこの提案を、公表されていない締め切りに対して1日遅れで提出されたことを理由に却下した。
今回、同社はトヨタの年次総会で発言することを求めたが、経営陣によって拒否されたため、株主提案のかわりに、株主総会向けに質問状を提出した。以下が質問内容である。
- トヨタの公的声明や直接的・間接的なロビー活動は、地球の気温上昇を産業革命前より2⁰C以下、1.5⁰Cにできる限り近づけるというパリ協定の目標にどのように合致するか。
- トヨタの経営陣は、来年の定時総会までに、気候関連政策に関する公言やロビー活動に伴う風評リスクを低減するための積極的な行動をとるのか。
- トヨタのリーダーは、パリ協定の目標に沿ったスケジュールで、交通機関の完全電化への移行を阻害するような公言やロビー活動を控えることを約束するのか。
【参照ページ】
(原文)AkademikerPension: Toyota modarbejder den nødvendige grønne omstilling
(日本語訳)AkademikerPension、トヨタの気候変動関連ロビー活動に対する懸念を表明