2月9日、イングランド銀行(BOE)は、英国の大手銀行および保険会社の気候変動による財務リスク評価を目的とした2年に1度のストレステスト(Biennial Exploratory Scenario、以下BES)の第2ラウンド開始を発表した。
2021年6月に発表されたBESは、金融機関が直面する気候変動関連のリスク調査を目的としており、移行リスク(ネット・ゼロ・エミッションを達成するために必要な経済の大幅な構造変化から生じるリスク)と物理的リスク(地球の気温上昇による影響に関連するリスク)の両方を含む。
テストでは、NGFS(Network of Central Banks and Supervisors for Greening the Financial System)が作成した「早期」、「後期」、「無対策」の3つのシナリオを使用し、ネット・ゼロへの最も効率的な道筋をたどるシナリオと、後期または不十分な対策をとる場合のシナリオを含む、さまざまな結果を明らかにする。
BESの第2ラウンドは、気候変動リスクから生じる銀行のビジネスモデルへの課題を理解し、銀行の対応策や金融サービスの提供への影響を把握するというBOEの目的に沿っている。今回の質問では、NGFSシナリオへの戦略的な対応と、それに伴う銀行や保険会社のビジネスモデルへの影響を探る。
BESラウンドで検討されたストレステストの他の目的としては、気候関連リスクに対する金融システムの財務エクスポージャーのより広範な評価と、気候関連の財務リスク管理強化の支援が含まれている。
BOEは、気候BESの結果を2022年5月に発表する予定だ。
【参照ページ】
(原文)Bank of England launches a second round of the Biennial Exploratory Scenario (BES) exercise on financial risks from climate change
(日本語訳)イングランド銀行、銀行と保険会社を対象とした第2回気候ストレステストを開始