
3月10日、欧州委員会が提案したグリーン・ディールの簡素化に関する「オムニバス・パッケージ」の審議が本会議で行われた。
(参考)EUのサステナビリティ規制が大幅簡素化(CSRD/CSDDD)!日本企業に関する重要ポイント【3/4更新】
本会議において、オムニバスパッケージの導入に向けて、期間延長の部分を先行して投票・採択する緊急手続き決定された。4月1日の本会議で投票が実施される予定であり、現状では可決の可能性が高いだろう。採択されれば、同会期内での迅速な審議が行われ、CSRDの2年延期およびCSDDDの1年延期が正式に決定される見通しである。
こうした動きの中、保守派のPPEは規制緩和を主導し、迅速な適用延期を求める立場を明確にしている。一方、社会民主派、左派、緑の党は、環境政策の後退を懸念し、「合理的な簡素化」のための慎重な議論を求めている。極右勢力は、オムニバス案を「不十分」と批判し、さらなる規制撤廃を主張している。一方、社会民主派や緑の党は強く反発。社会民主派のララ・ウォルターズ議員は、「科学的根拠のないイデオロギー的な決定であり、社会・環境基準を切り崩すものだ」と批判した。フランスの緑の党所属のマリー・トゥサン議員も、「簡素化の名の下に、環境規制が抜本的に撤廃されようとしている」と警鐘を鳴らしている(Novethic記事より)。
なお、欧州議会での議論と並行し、加盟国政府間でも規制緩和を求める動きが強まっている。ポーランドの財務大臣アンジェイ・ドマンスキは、「ストップ・ザ・クロックの実施が急務だ」と強調した。フランスの産業大臣マルク・フェラッチも、「EUはより迅速な手続きを導入し、グリーン・ディールの修正を加速すべきだ」と述べた。デンマーク政府も、「報告義務を60~70%削減すべきだ」と提案している(Novethic記事より)。
【参照ページ】
(原文)
DRAFT AGENDA Sittings of 31/03/2025 – 03/04/2025 Document approved by the Conference of Presidents