4月22日、国際労働機関(ILO)は気候変動下における労働安全衛生の確保についての報告書を発表した。当報告書によると、24億人以上の労働者が、仕事中に過度の暑さにさらされる可能性があると推定している。
また当報告書では、過度の暑さに起因する2,287万件の労働災害によって、年間1万8,970人の命と209万人の障害調整生存年が失われると推定している。
さらに当報告書では、がん、心臓血管系疾患、呼吸器系疾患、腎臓機能障害、精神疾患など、労働者の数多くの健康状態が気候変動と関連していると指摘している。その影響には以下のようなものである。
- 16億人の労働者が紫外線にさらされ、年間18,960人以上の労働関連死が非黒色腫皮膚がんによるものである
- 16億人が職場の大気汚染にさらされる可能性があり、その結果、屋外労働者の労働関連死は年間86万人である
- 8億7,000万人以上の農業従事者が農薬にさらされる可能性があり、年間30万人以上が農薬中毒で死亡している
- 寄生虫や媒介感染症にさらされることによる労働関連死が毎年15,000件起こっている
また、当報告書は法律・規制・指針の改正や新設・労働環境におけるエネルギー効率対策などの気候緩和戦略の改善など、各国の現在の対応についても調査している。
【参照ページ】
(原文)Climate change creates a ‘cocktail’ of serious health hazards for 70 per cent of the world’s workers
(日本語参考訳)気候変動は世界の労働者の70パーセントに深刻な健康被害の「カクテル」をもたらす