金融庁、主要国のサステナビリティ情報の開示・保証について報告書を発表

4月17日、金融庁は「主要国のサステナビリティ情報等の開示・保証の動向に関する調査」をEY新日本有限責任監査法人に作成を委託し、発表した。

当報告書は、日本におけるサステナビリティ開示・保証の基準開発を行うため、国際的な整合性を図りつつ、全体として充実したサステナビリティ開示を着実に進めることを目的とした調査によるもの。調査では、各国のサステナビリティ情報等の開示・保証に関する基準・ガイダンス・法規制等について文献調査し、また関係団体へのヒアリング調査も行っている。

当報告書は、各国のIFRS S1/S2の適用に伴う軽減措置の調査・各国の電子開示制度におけるシステム連携の調査・各国の保証業務提供者及び保証手続の調査の内容がまとまったものとなっている。これら3つの話題に関して各国の比較表を用いて考察が行われている。

各国のIFRS S1/S2の適用に伴う軽減措置の調査に関して以下の4点が具体例とともにまとめられた。

  • サステナビリティ情報開示の適用時期は、企業の規模に応じて段階的に適用される傾向にあることが確認
    された
  • 開示基準についてはISSB基準を基に国内の特殊性を考慮した基準を使用する傾向がある
  • サステナビリティ情報の開示タイミングは、財務情報開示と同じであることが多い
  • 米国において、気候関連開示におけるセーフハーバールールが導入されたことが確認された

また、各国の電子開示制度におけるシステム連携の調査では、英国・米国・フランス・シンガポールについて電子開示制度の概要、財務情報とサステナビリティ情報のシステム連携の有無等についての調査がまとめられた。

さらに、保証業務提供者及び保証手続の調査に関してはスペイン・カナダ・豪州・ドイツ・シンガポールについて保証業務提供者の要件や検査・監督機関、法改正の有無等についての調査がまとめられた。

【参照ページ】
(原文)主要国のサステナビリティ情報等の開示・保証の動向に関する調査報告書

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-3-27

    【GPIF発表】「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」選定結果

    3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式の運用を委託している運用機関に対…
  3. 2025-3-24

    CDP、ESRS報告基準との対照表を発表

    3月18日、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)と国際的な非営利団体であるCDPは、欧州サステナ…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る