日本版サステナビリティ開示基準が発表

3月5日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、日本で適用される初のサステナビリティ開示基準「SSBJ基準」を発表した。これは、2月19日に開催された第49回委員会で正式に承認されたもので、以下の3つの基準で構成される。

  1. 適用基準:「サステナビリティ開示基準の適用」
  2. 一般基準:「一般開示」
  3. 気候基準:「気候関連開示」

SSBJは、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)のIFRSサステナビリティ開示基準(ISSB基準)との整合性を基本方針とし、国際比較可能な情報開示を目指して議論を重ねてきた。特に、ISSBの「IFRS S1(サステナビリティ関連財務情報開示の一般要件)」を、一般基準と適用基準の2つに分割する形で発行することで、より明確な基準体系を構築した。

SSBJ基準は、将来的に東京証券取引所プライム市場の上場企業に適用が義務付けられることを想定している。SSBJの川西委員長は、「多くの意見を反映し、ISSB基準との相違を極力減らした。今後の開示実務の動向を注視し、必要に応じて基準の改訂を検討する」と述べ、広範な適用とフィードバックを歓迎すると強調した。

SSBJ基準は日本語版のみが発行されるが、概要やISSB基準との対応表などは英語版も近日中に公開予定だ。

【参照ページ】
(原文)SSBJ issues Inaugural Sustainability Disclosure Standards to be applied in Japan

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-5-21

    ESMA、ESG評価機関規制に関する技術基準案を公表―透明性と利益相反への対応を強化

    5月2日、欧州証券市場監督局(ESMA)は、ESG評価機関に関する新たな規制技術基準(RTS)案を…
  2. 2025-5-21

    個人投資家、サステナビリティ投資への関心依然高く

    4月30日、モルガン・スタンレー・サステナビリティ投資研究所が発表した調査報告によると、世界の個人…
  3. グローバルガバナンス体制構築に向けた実践的ツール紹介

    2025-5-20

    グローバルガバナンス体制構築に向けた実践的ツール紹介

    コーポレートガバナンスは、企業経営に直接的に係る課題であり、あらゆる企業において例外なく重要である…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る