Walmart(ウォルマート)は、HSBC、CDPと共同で、科学的根拠に基づく排出削減目標の設定をサプライヤーに奨励・支援するサプライチェーンファイナンスプログラムを開始したことを発表した。
Walmartによると、このプログラムは、サプライチェーンの排出量削減イニシアチブ「Project Gigaton」の次のステップとなる。2017年にスタートしたこのプロジェクトは、2030年までに世界のサプライチェーンから10億トンの温室効果ガスの排出をなくすことを目指している。現在までに3,100社以上のサプライヤーがこの取り組みに署名しており、累積で4億1,600万トンのCO2eの排出を回避している。
この新しいプログラムは、ウォルマートのプライベートブランドのサプライヤーが、強化された基準、ツール、キャパシティビルディングを導入することで、スキルアップを図り、透明性のある持続可能性の目標に合わせて業務を行うことを支援することを目的としている。このプログラムでは、特に中小企業に焦点を当てている。中小企業は、社内に気候変動に関する専門知識や気候変動対策を推進するための資本リソースを持たない場合が多いからだ。
プロジェクト・ギガトンに参加するサプライヤーは、科学的根拠に基づく目標を設定し、企業の環境維持活動を世界の気候目標と整合させることを目的とした主要組織の一つであるScience Based Targets initiative(SBTi)による検証を受けることができる。また、サプライヤーは、CDP気候変動報告書で一定のスコア閾値を達成することができる。サプライヤーは、ウォルマートが承認した請求書に対する早期支払いをHSBCに依頼することができ、融資の価格はサプライヤーのCDPスコア、ターゲット、報告された影響に連動する。
さらに、サプライヤーは、運転資金の管理や、事業のエネルギー効率化などのサステナビリティに関連した改善のためにも、この融資を利用することができる。
【参照ページ】
(原文)Walmart Creates Industry First by Introducing Science-Based Targets for Supply Chain Finance Program
(日本語訳)Walmart、HSBC、CDP、サプライチェーンにおける気候変動対策のための融資プログラムを共同開発