7月5日、国際海事機関(IMO)は、「2023年IMO船舶からの温室効果ガス排出削減戦略」を採択したと発表した。本戦略には、2050年までに国際海運からの温室効果ガス排出をゼロにすること、2030年までに温室効果ガス排出の少ない燃料を普及させること、といった新たな目標が盛り込まれている。
海運業は、世界の温室効果ガス排出量の約3%を占めており、ほとんどの経済シナリオでは、2050年までに約2倍に増加する勢いである。海運部門の気候フットプリントを大幅に削減するためには、低排出燃料、インフラ、技術を開発・導入する必要がある。
今回の合意は、海運からの排出量を50%削減するというIMOの2050年目標を大幅に上回るものである。
新戦略には、ネット・ゼロの目標に加え、2008年基準で2030年までに20%削減、「30%を目指す」、2040年までに70%削減、「80%を目指す」など、一連の中間目標が盛り込まれた。同戦略はまた、国際海運が使用するエネルギーの少なくとも5%、「10%を目指す」とし、温室効果ガス排出ゼロまたはゼロに近い技術、燃料、エネルギー源とする野心も掲げた。
新戦略はまた、新たな排出削減目標を達成することを目的とした、船舶燃料のGHG強度を段階的に削減することを規制する船舶燃料基準や、排出量価格メカニズムを含む、一連の措置を開発する計画も含んでいた。
環境保護団体は、IMOの野心拡大を歓迎する一方で、IMOの新戦略は世界的な気候変動目標を支えるには不十分だと批判した。
【参照ページ】
(原文)Revised GHG reduction strategy for global shipping adopted
(日本語参考訳)世界的な輸送における修正されたGHG削減戦略を採用