1月16日、IBMと美容企業ロレアルは、IBMの生成AI技術と専門知識を活用し、化粧品の処方データから新たな洞察を引き出すための共同プロジェクトを発表した。この取り組みは、ロレアルの研究開発チームが化粧品の全カテゴリーおよび地域でサステナブルな原材料を使用しながら、エネルギーや資源の無駄を削減し、性能と消費者満足度を向上させることを目的としている。このプロジェクトでは、化粧品業界初の試みとして、化粧品処方に特化したAIモデルを構築する予定であり、美容、化学、技術の交差点におけるAI革新を再定義するものとなる。
このコラボレーションでは、L’Oréalの化粧品科学における専門知識と、IBMの科学的発見を促進する最先端AI技術を組み合わせることで、環境に配慮した革新的な解決策を模索する。地球資源を保護するため、消費者製品の開発において再生可能でサステナブルな原材料を探索することが重要であり、この取り組みはロレアルが掲げている、2030年までにバイオ由来または循環型経済に基づいた原材料の使用割合を大幅に増やすという目標の達成に寄与する。
新しいAIモデルは、大量の処方データや成分データを活用して、製品の新規開発、既存製品の再処方、および量産化の最適化など、ロレアルが行う複数の業務を加速させる。このツールは、ロレアルの世界4,000人の研究者を数年間にわたって支援し、再生可能な成分が化粧品処方でどのように機能するかを理解することで、サステナブルで包括性の高い製品ラインを構築し、世界中の消費者にパーソナライズされた製品を提供できるようにする。
AI基礎モデルは、ラベル付けされていない幅広いデータ・セットで学習されたAIモデルの一種で、様々なタスクを遂行し、異なる状況に情報を適用できるAIモデルである。これらのモデルは近年、自然言語処理(NLP)の分野で大きな進歩を遂げており、IBMは言語以外の分野への応用がされている。IBMのAI技術は、ロレアルの創造性を補完し、化粧品の新しい処方を発見することで、美容業界に変革をもたらす可能性がある。
【参照ページ】
(原文)IBM and L’Oréal to Build First AI Model to Advance the Creation of Sustainable Cosmetics
(日本語参考訳)IBMとロレアル、持続可能な化粧品の開発を促進する初のAIモデルを構築