11月26日、ユニリーバはオーストラリアの化学メーカーであるNufarmとのパートナーシップを発表し、サステナブルなオイルを生産するための作物を育成することを目的としたプロジェクトについても発表した。この計画は、植物の葉や茎を含む全体から抽出されるオイルを洗濯用洗剤や美容・パーソナルケア製品の基礎原料となる脂肪酸の供給源とする計画である。
従来、植物オイルは主に種子や果実から生産されるが、この技術の革新により、サトウキビやソルガム(穀物の一種)などの作物全体を利用してオイルを生成できる。Nufarmはこれまでに「エナジーケーン」と呼ばれるサトウキビの品種を開発・商業化しており、従来のサトウキビに比べて植物体量と糖の生産性が著しく高い。今回のプロジェクトではバイオテクノロジーの最近の進展を活用し、商業的に利用可能な新たなエナジーケーン品種の開発を目指している。
この技術の目的は石油化学由来の原料への依存を減らすことであり、植物ベースのオイルを生産するためにバイオマス作物を最適化する初の試みとなる。エナジーケーンは現在の段階でも気候変動への耐性、干ばつ耐性、土壌侵食防止といった持続可能性の利点を持ち、農業生産者や環境にとっても有益である。このプロジェクトはこれらの特性を新しい作物に適用し、原料調達におけるGHG排出削減目標の達成に貢献することを目指している。
さらに、作物の廃棄部分をなくすことも目標である。オイルの他に糖も生産し、それを香料や酵素といった特殊原料の生産に活用する可能性を探る。また、残存植物繊維を包装用の紙やボードの製造に活用できるかを検討する。
【参照ページ】
(原文)Unilever invests in biotech partnership to identify alternative cleaning ingredients
(日本語参考訳)ユニリーバ、代替洗浄成分の特定に向けバイオテクノロジー提携に投資