GRI、新しい生物多様性報告基準を発表

1月25日、標準化されたESG報告を推進する主要組織の1つであるグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)は、企業が生物多様性への重大な影響とその管理方法を公表できるようにすることを目的とした生物多様性基準の大幅な更新である「GRI 101: Biodiversity 2024」を発行した。

新しい報告基準は、企業や金融機関が自然と生物多様性のリスクに注目し、自然関連の問題に対処する世界的な取り組みが加速し始める中で導入された。 2022年12月、世界各国政府はCOP15国連生物多様性会議で昆明・モントリオール地球規模生物多様性枠組み(GBF)を採択し、自然生態系を保護し、生物多様性関連の資金提供を強化することを目的とした一連の目標に同意した。 2023年9月、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は、自然関連のリスク管理と開示に関する最終勧告を発表し、すでに数百社が自然関連の報告に使用することを約束している。

GRIによると、新しい規格のリリースは2年間の開発プロセスを経て、これらの世界的な生物多様性関連の主要な開発に基づいているという。 GRIは、TNFD、EFRAG、SBTN、WBA Nature Benchmarkなどの組織と協力して、報告基準とシステムの調整を支援していると付け加えた。

更新された基準の主な機能には、サプライチェーン全体にわたる影響に関する報告の容易化、および運用サイトの場所と規模に関する詳細情報を含む場所固有の影響報告が含まれる。 土地利用、気候変動、乱獲から汚染や外来種に至るまで、生物多様性損失の直接的な要因に関する新たな開示も含まれており、社会や人権への影響、および組織がこれらの影響を管理する方法に関する報告要件も組み込まれている。

新規格は2026年1月に正式に発効する予定で、GRIは今後2年間で早期採用者とともに本規格を試験的に導入することを目指す。

【参照ページ】
Transparency standard to inform global response to biodiversity crisis

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る