8月11日、米エネルギー省は、エネルギー大手Occidental’s (Oxy)の炭素回収プラットフォーム1PointFiveと、炭素除去クリーンテック企業Climeworksによる、大気中から数百万トンのCO2を回収・貯蔵できる直接空気回収(DAC)施設の開発を支援するため、最大12億ドル(約1,745億円)の助成金を受ける2つのプロジェクトを選定したと発表した。
今回の助成は、人工的な炭素除去への投資としては過去最大規模となる。
DAC技術は、IEAがネット・ゼロ・エネルギー・システムへの移行における重要な炭素除去オプションとして挙げているもので、大気中から二酸化炭素を直接抽出して原料として利用、貯蔵と組み合わせて永久的に除去することを可能にする。昨年発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の画期的な気候変動緩和研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオには、今後数十年にわたって年間数十億トンに拡大する二酸化炭素除去方法が含まれており、DACはその大部分を占める可能性がある。
CO2を回収・貯留するソリューションのほとんどは初期段階にあり、DACを含め、現在のところ規模が限られている。DOEによると、選定されたプロジェクトは、世界のDAC能力を飛躍的に向上させるもので、合計で年間200万トン以上のCO2を除去し、現在稼働している最大のDAC施設の250倍以上の二酸化炭素を除去することができるという。
DOEは、これらのプロジェクトの開発を支援することは、「将来の公共部門と民間部門の投資に情報を提供し、地球規模で気候危機に対処するために重要な新産業を立ち上げるのに役立つ」と付け加えた。
【参照ページ】
(原文)Biden-Harris Administration Announces Up To $1.2 Billion For Nation’s First Direct Air Capture Demonstrations in Texas and Louisiana
(日本語参考訳)米国、OxyとClimeworksの炭素除去プロジェクト開発に約1,745億円を助成