中国証券取引所、企業のサステナビリティ報告義務化を発表

中国証券取引所が企業のサステナビリティ報告義務化を発表

2月10日、中国の三大証券市場である上海証券取引所(SSE)、深セン証券取引所(SZSE)、北京証券取引所(BSE)は、上場企業向けの新しい持続可能性報告ガイドラインを発表した。

本発表により、中国は、最近開始されたEUの企業持続可能性報告指令(CSRD)、米国証券取引委員会(SEC)の今後の気候変動開示規則、オーストラリア、ブラジル、シンガポール、英国を含む他の管轄区域など、企業に対する新しい持続可能性報告要件を導入中の他の主要市場に加わることになる。

中国の取引所が発表した新ガイドラインによると、企業の報告要件は、ガバナンス、戦略、影響、リスクと機会管理、指標と目標を含む4つの「コア・コンテンツ」トピックを包含する。これらのトピックは、取引所が持続可能性報告に対してダブル・マテリアリティアプローチを採用していることを示している。

各取引所によると、「投資家やステークホルダーが、上場企業の持続可能な発展への対応や管理への取り組みを十分に理解できるようにするため」、ガイドラインには中核的な内容が盛り込まれている。

ガイドラインは、気候変動、生態系と生物多様性の保護、循環型経済、エネルギー利用、サプライチェーンの安全保障、地方の活性化、腐敗防止と贈収賄防止など、環境、社会、ガバナンスの幅広いカテゴリーにわたる報告要件の概要を示している。これは、SECが最終的な気候変動規則を準備する中で、バリューチェーンの温室効果ガス排出量データの信頼性が低く、収集が困難であるとの懸念を企業が表明したためである。

新ガイドラインに基づく報告義務付けは、深圳100、SSE180、上海科技創新50の旗艦指数に採用されている企業や、国内外の市場に上場している二重上場企業を含む大企業に適用される。全体では、上場時価総額の約半分に相当する450社以上に強制要件が適用される。主に中小企業が上場している北京取引所は、自主的にガイドラインを導入している。

必須要件に含まれる企業については、2025年の報告期間に向けて、2026年に報告が開始されることになっている。

【参照ページ】
(原文)Shenzhen Stock Exchange
(日本語参考訳)深圳証券取引所

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る