Dow、廃プラスチック再生素材やバイオ素材の調達を加速

Dow、世界のパーソナルケア市場におけるバイオベースおよび低炭素成分の拡大に向け、BSBナノテクノロジーとの提携を発表

7月26日、Dowは世界で初めてもみ殻ベースの高級特殊シリカを製造したBSBナノテクノロジー合弁会社と新たに契約を締結したことを発表した。籾殻は精米の廃棄物として生産される再生可能な資源であり、パーソナルケア市場の多様な用途に数多く使用されている。今回の提携は、バイオベース製品に向けた Dowの取り組みを加速させるものだ。新たに加わった成分( Dowの商標EcoSmooth™ Rice Husk Cosmetic Powderとして販売)は、スキンケア、ヘアケア、カラー化粧品の用途において、消費者に光学的利点と独自の感覚的体験を提供するものである。

環境意識の高い消費者に選ばれている製品であるEcoSmooth™ Rice Husk Cosmetic Powderは、両者間で初公開される独占的な成分である。非遺伝子組み換えの天然資源から作られたこのシリカパウダーは、農業の副産物であるもみ殻から再利用されたもの。滑らかな使用感で、肌の凹凸をぼかし、マットな肌に仕上げる効果がある。

また、同社は7月21日にフランスのリサイクル会社Valoregenと、Valoregenが所有・運営するフランス最大のシングルハイブリッドリサイクルサイトの建設に貢献する契約を締結したことを発表した。

このプロジェクトは、2023年第1四半期末に稼働し、リサイクル材料を提供する予定で、メカニカルリサイクル(特定のプラスチック廃棄物を二次製品に処理する)と、より新しく高度なリサイクルプロセス(混合されたリサイクルが困難なプラスチックを元のナフサのような液体形態に分解して新しいバージン様ポリマーを製造する)を統合する上で重要なステップとなる。

同日にDowとNexus Circularは、テキサス州ダラスに新たに建設された先進的なリサイクル施設の生産量を確保するための、 Dowの詳細な趣意書(LOI)に署名したと発表した。さらに、Dowと先進的なプラスチックリサイクルソリューションの世界的パイオニアであるMura Technologyは、米国と欧州に複数の世界規模の120キロトン(KT)の先進リサイクル施設を建設することを意図して、世界的なプラスチック廃棄物問題の解決を支援するパートナーシップの次のステップを発表した。

【参照ページ】
(原文)Dow Announces Partnership with BSB Nanotechnology to Expand Bio-based, and Low-Carbon Ingredients in the Global Personal Care Market
Dow and Valoregen collaborate to build largest hybrid recycling site in France
Dow and Nexus Circular Announce Plans to Build New Advanced Recycling Facility in Dallas, TX, Expediting Circular Plastics Production in USA
Accelerating mechanical recycling: Dow becomes first to achieve traceability and recycled content certification for PE compounds
(日本語訳)ダウ、世界のパーソナルケア市場におけるバイオベースおよび低炭素成分の拡大に向け、BSBナノテクノロジーとの提携を発表
ダウとヴァロレジェンがフランス最大のハイブリッドリサイクルサイトの建設に協力
ダウとNexus Circular社がテキサス州ダラスに新しい高度リサイクル施設を建設する計画を発表、米国での循環型プラスチック生産を促進
メカニカルリサイクルを加速する ダウはPEコンパウンドのトレーサビリティと再生材料認定を初めて達成した

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-29

    イベントレポート サステナビリティ経営フォーラム2025

    『本質に迫る対話とデータ活用 ~信頼を築く情報開示と戦略の再構築~』 ESG Journal…
  2. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  3. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る