Glass Lewis、Esgaiaを買収—投資家のエンゲージメント支援を強化

世界有数のコーポレートガバナンスデータと議決権行使サービスを提供するGlass Lewis は、ストックホルムを拠点とする Esgaiaを買収することを発表した。Esgaiaは、機関投資家向けの投資スチュワードシップ(投資家の責任あるエンゲージメント)データ管理およびワークフロー支援を提供するテクノロジープラットフォームである。今回の買収により、Glass Lewisは、特に欧州やオーストラリアなどの市場 で求められる、コーポレートガバナンス調査、議決権行使、発行体とのエンゲージメントを統合したサービスをさらに強化する。

Glass LewisのCEO、ボブ・マンは、「投資スチュワードシップの重要性は世界的に高まっているが、中でも欧州では投資プロセスに深く根付いている。Esgaiaの買収を通じて、当社の研究、議決権行使、エンゲージメントデータを統合し、機関投資家や年金基金がより効果的に資本を管理できるよう支援する」と述べた。

Glass Lewisはこれまで、株主の関心事項に基づく発行体との対話を支援するエンゲージメントサービスを提供してきた。しかし、多くの機関投資家は、これらの対話履歴をスプレッドシートや手作業で管理しており、データの一元化や透明性の確保に課題を抱えていた。Esgaiaはこの課題に対応するため、クラウドベースのプラットフォームを開発し、機関投資家が発行体とのエンゲージメントを管理・報告できるよう支援してきた。

Glass LewisとEsgaiaは、過去3年間にわたり戦略的パートナーシップを結び、Esgaiaのプラットフォームを活用したデータ統合を進めてきた。Esgaiaの創業者兼CEOであるアントン・ユングは、「Glass Lewisとの協力により、投票データとエンゲージメントデータを統合することで、クライアントのワークフローを合理化し、報告プロセスを簡素化できる」と述べ、買収によりEsgaiaのサービスをより多くの機関投資家に提供できることへの期待を表明した。

【参照ページ】
(原文)Glass Lewis Accelerates its Investment Stewardship Strategy with Acquisition of Esgaia
(日本語参考訳)グラス・ルイス、エスガイア買収により投資管理戦略を加速

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 【PR】10/28   サステナビリティパフォーマンスを重視した情報開示

    2025-10-14

    【PR】10/28 サステナビリティパフォーマンスを重視した情報開示

    ISS ESG評価の視点と実務対応の最前線 ISSコーポレート・ソリューションズ(I…
  2. 2025-10-8

    欧州委員会、サステナビリティ報告関連法規(第三国ESRS)の制定を延期へ

    10月6日、欧州委員会は金融サービス分野における115の「重要ではない2次法(regulatory…
  3. SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    2025-10-7

    SASBスタンダード対照表の作成ステップ(開示項目一覧表ダウンロード資料付)

    サステナビリティ情報開示の質を高めることは、今や重要な経営課題である。単なる開示義務の遵守ではなく…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る