LeapFrog Investments、史上最大規模のファンドIVをクローズ

11月26日、インパクト投資のリーダーであるLeapFrog Investmentsは、同社史上最大規模となる第4号ファンド(Fund IV)のクローズを発表した。当初目標の10億ドルを超え、10.2億ドルの資金調達を達成。アジア地域の投資家が50%以上を占めるなど、地理的多様性も拡大している。さらに、アフリカでのプルデンシャル・ファイナンシャルとの追加パートナーシップも含め、資金調達サイクル全体で11.5億ドル以上を集めた。

アジア市場の拡大と主要投資家の参加

Fund IVには、シンガポール、中国、日本などの新規市場からの投資家が参加し、LeapFrogの影響力がさらなる地理的多様性を実現した。主要な投資家には、テマセク、AIA、プルデンシャル・ファイナンシャル、欧州投資銀行、米国国際開発金融公社が含まれ、また財団やグローバル資産管理会社も多額のコミットメントを行っている。

成長市場での社会的インパクト

Fund IVは、ヘルスケアや金融サービスの成長を加速させることを目指しており、1億人以上の新興消費者と生産者の生活改善を目標としている。すでに初期投資先5社を通じて2,400万人以上に影響を与え、収益成長を実現している。

主な投資先企業

  1. レッドクリフ・ラボ(インド)
    インド最大かつ低コストの診断事業を展開し、20,000万件以上の検査を実施。
  2. サン・キング(オフグリッド太陽光発電)
    1億1,800万人以上に太陽光エネルギーを提供し、低所得世帯のエネルギーコストを72億ドル削減。
  3. bolttech(インシュアテック)
    35市場で低コスト保険を提供する組み込み保険のリーダー。
  4. エレクトロニカ・ファイナンス(インドMSME支援)
    MSME向け融資を通じて運用資産を3倍に成長。
  5. Auxilo Finserve(教育融資)
    南アジアの教育機関向け融資で、融資残高が年複利75%増加。

CEOと会長のコメント

LeapFrog創業者兼CEOのアンディ・クーパー氏は、「厳しい資金調達環境の中でも、当社のProfit with Purpose戦略が多くの新規市場から支持を受けた」と述べている。会長のドミニク・バートン氏も、「成長市場におけるリスク調整後リターンの提供と新興消費者の経済的強靭性の構築に大きく寄与する」と期待を語った。

新たな気候変動投資戦略も開始

LeapFrogは、アフリカやアジアにグリーンな技術を提供する新たな気候変動投資戦略も開始しており、今後も幅広い社会的インパクトを追求していく見込みである。

Fund IVを通じて、LeapFrog Investmentsは成長市場での商業的成功と社会的インパクトの両立を推進し、世界中の投資家や地域社会に持続可能な価値を提供し続ける。

【参照ページ】
(原文)LeapFrog Investments Raises $1.15bn in Fourth Fundraising Cycle
(日本語参考訳)リープフロッグ・インベストメンツ、4度目の資金調達で11.5億ドルを調達

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-1-17

    ESGフロントライン:潮流を読む~NZBA脱退が加速、日本への影響と今後の対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025年の注目トレンド予測:サプライチェーンと保証制度が企業戦略の中心に

    2025-1-15

    2025年の注目トレンド予測:サプライチェーンと保証制度が企業戦略の中心に

    2025年は企業にとって「サステナビリティへの対応」の本番時期を迎える。EUのCSRD、国内ではS…
  3. 2025-1-10

    英ASA、ロイズ銀行の誤解を招く持続可能性広告を違反認定

    12月18日、英国広告基準局(ASA)は、ロイズ銀行の持続可能性をテーマにした広告4件について調査…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る