12月7日、国際グリーンボンド基準策定NGO気候債券イニシアチブ(CBI)は、不動産セクター向けの新たな気候債券基準(CBS)として「建築物基準2.1」を発表した。
2012年に開始されたCBSは、既存建築物における営業排出量の削減に焦点を当てたものであった。建築物基準2.1の導入は、建築分野におけるグリーン投資の領域を大きく拡大するものである。本基準は、低炭素で持続可能な建物を認証するための新たなベンチマークを確立する。
建築物基準2.1の主な特徴として以下が挙げられる。
- 商業ビルと住宅:オフィス、店舗、病院、ホテル、大学、一戸建住宅、集合住宅など多様な建築物に及ぶ。本基準は、米国のエネルギースタープログラムやEUのエネルギー性能証明書(EPC)のような、現存する地域の建築基準法やエネルギー格付け制度を、排出パフォーマンスのベンチマークとして活用する
- アップグレードプロジェクト:認証の対象は、商業用、住宅用、その他の建築物の種類を問わず、定義されたベースラインから30%~50%の排出削減を達成するプロジェクトに拡大される
- ホールライフ・カーボンの重視:従来のエネルギー効率の枠を超え、本基準は「全生涯炭素」に焦点を当て、建築資産に含まれる具体化された排出量を組み込んでいる。本アプローチは、EUの分類法に沿ったものであるだけでなく、建築物の気候への影響を総合的に評価するものである
- 総合的な排出量測定:GHGプロトコルのスコープ1、スコープ2、スコープ3の排出量を網羅し、1m2あたりの排出量を主要な指標としている。本包括的なアプローチは、エネルギー性能の枠を超え、建物のサステナビリティについての視点を提供する
- 共同開発: 技術ワーキンググループと業界ワーキンググループの専門知識を結集して策定された基準には、学界、市民社会、多国間銀行、業界専門家の見識が反映されている
【参照ページ】
(原文)Climate Bonds Initiative Launches New Buildings Criteria 2.1: Expanding the scope to Embodied Emissions and in line with the EU Taxonomy
(日本語参考訳)CBI、建築物基準2.1を発表: EUのタクソノミに沿い、排出量に範囲を拡大