カナダ、2024年より銀行と保険会社に気候変動に関する情報開示の義務化を開始

カナダ、2024年より銀行と保険会社に気候変動に関する情報開示の義務化を開始予定。

4月8日、カナダ連邦政府は2022年度予算を発表した。カナダは2024年から銀行と保険会社に対して気候変動に関連する情報開示を義務化する予定である。また、同予算では、気候変動に対処するための90億ドル(約1兆1200億円)以上の資金調達案や、来年度の新たなグリーンボンドの発行計画も紹介された。

カナダの新年度予算によると、金融規制当局OSFIは、連邦規制金融機関に対して、2024年からTCFDフレームワークに沿った気候情報開示の公表を義務付け、要件は「段階的導入」方式を採用すると表明している。カナダの連邦規制金融機関には、カナダ国内のすべての銀行、保険会社、連邦政府が設立または登録した信託会社やローン会社などが含まれる。

OSFIは金融機関にも顧客から気候リスクと排出量に関する情報を収集し評価することを求める。また、政府は、連邦政府が規制する年金制度にESG開示を義務付ける見込みである。

予算は、カナダが最近発表した2030年気候変動対策計画に沿って、90億ドル(約1兆1200億円)以上の気候変動関連資金の計画についても概説している。主な投資分野としては、購入奨励金やEV充電設備増強などのゼロエミッション車(ZEV)支援に30億ドル(約3740億円)以上、グリーンビルや住宅に10億ドル(約1250億円)以上、さらに再生可能エネルギー、クリーン農業技術、自然環境に基づく気候ソリューションへの投資などが挙げられる。

さらに、本予算には、今後1年間に50億ドル(約6,250億円)のグリーンボンドを発行する計画が含まれる。カナダは先月、グリーンインフラやその他の気候・環境保護関連事業への投資資金として50億ドル(約6250億円)を調達し、初のソブリングリーンボンドの発行を完了した。

【参照ページ】
(原文)Government of Canada releases Budget 2022
(日本語訳)カナダ政府、2022年度予算案を発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. GRI労働関連基準の改訂状況と人的資本開示との対応関係を解説

    2025-7-7

    GRI労働関連基準の改訂状況と人的資本開示との対応関係を解説

    GRI(Global Reporting Initiative:グローバル・レポーティング・イニシ…
  2. 2025-7-7

    ノルウェー政府、2035年に温室効果ガス70〜75%削減目標を提出

    6月26日、ノルウェー政府は、パリ協定の下で2035年に向けた新たな国が決定する貢献(NDC)を国…
  3. 2025-7-7

    ネスレのカカオ農家支援、所得向上に成果―悪天候下でも収量増、対象5万世帯へ拡大

    6月25日、食品大手ネスレは、西アフリカで展開するカカオ農家の所得向上支援プログラムが、参加世帯の…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る