トヨタ、米国でのEV用バッテリー投資を約2兆円に増額

トヨタ、米国でのEV用バッテリー投資を約2兆円に増額

11月1日、自動車大手のトヨタは、ノースカロライナ州のバッテリー生産工場に80億ドル(約1兆円)を追加投資し、米国におけるEV用バッテリーの生産能力を大幅に増強する計画を発表した。今回の発表により、同社の同工場へのコミットメントは140億ドル(約2兆円)近くに拡大し、米国のEV用バッテリー生産能力への投資としては過去最大級となる。

トヨタは、米国と日本におけるEV用電池の生産能力を増強するための50億ドル(約7,529億円)の構想の一環として、昨年ノースカロライナ州の施設に当初23億ドル(約3,469億円)を投資することを発表し、今年初めには、電動化車両のポートフォリオを拡大するためのリチウムイオン電池を開発・生産するための拠点を構築することを目的として、同施設の計画生産能力を増強するためにさらに21億ドル(約3,160億円)を割り当てた。

今回の追加資本投資により、同工場はハイブリッド車(HEV)用バッテリー4ラインに加え、BEV/PHEV用バッテリー生産ライン10ラインを備えることになる。同施設の総生産能力は年間30GWhに達する見込みで、2030年まで時間をかけて増産される。

トヨタの発表は、米国におけるEVとバッテリーの生産能力を飛躍的に高めることを目的とした、一連の大規模な車両電動化投資の最新版であり、2021年にバイデン大統領が出した、2030年までに米国における新車販売の半分をゼロ・エミッション車にすることを義務付ける大統領令や、米国の国内バッテリー・サプライチェーンの強化を目的とした米国超党派インフラストラクチャー法からの70億ドル(約1兆円)の割り当てに続くものである。

自動車業界をリードするGM、フォード、BMW、ホンダ、ヒュンダイ、ステランティスは、ここ数ヶ月の間にそれぞれEVとバッテリー容量への大規模な投資計画を発表している。

トヨタは、今回の新規投資によりノースカロライナ州の拠点で3,000人の雇用が追加され、同拠点での雇用創出は合計5,000人になると発表した。

【参照ページ】
(原文)Toyota to invest another $8B into North Carolina EV battery factory
(日本語参考訳)トヨタ、ノースカロライナ州のEVバッテリー工場に80億ドルを追加投資

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    2025-4-1

    ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    CSRD(企業サステナビリティ報告指令)のオムニバス草案が提出され、欧州の開示規則が変わる中、20…
  2. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-3-27

    【GPIF発表】「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」選定結果

    3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式の運用を委託している運用機関に対…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る