TD、OxyのDACプラットフォームと炭素除去契約を締結

TD、OxyのDACプラットフォームと炭素除去契約を締結

11月1日、TDバンク・グループは、投資銀行TDセキュリティーズが、エネルギー大手Occidental’s(Oxy)の炭素回収プラットフォーム1PointFiveから、4年間で2万7,500トンのDAC(Direct Air Capture)二酸化炭素除去(CDR)クレジットを購入することに合意したと発表した。

TDによると、本取引は、金融機関によるDAC CDRクレジットの最大級の購入となる。

DAC技術は、IEAがネット・ゼロ・エネルギー・システムへの移行における重要な炭素除去手段として挙げているもので、大気中から二酸化炭素を直接抽出して原料として利用したり、貯蔵と組み合わせて永久的に除去したりすることが可能。昨年発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の気候変動緩和研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオには、今後数十年間で年間数十億トン規模の二酸化炭素除去方法が含まれており、DACはその大部分を占める可能性がある。

本取引は、TD証券の自主的な炭素クレジットのポートフォリオに追加され、低炭素経済への移行を支援するために顧客に提供されるESGソリューションの広範なプラットフォームの一部となる。

TDは今年初め、2030年までに5,000億カナダドル(約54兆円)の持続可能な脱炭素金融を促進するという目標を発表し、昨年には、顧客にエンド・ツー・エンドの炭素市場ソリューションを提供することを目的としたカーボン・アドバイザリー事業を開始した。TDは2020年に、2050年までに営業活動および融資活動に伴う温室効果ガス排出量をネット・ゼロにすることを目標とする「気候行動計画」を発表している。

TDのCDRクレジットは、1PointFiveのDACプラントSTRATOSによって実現される。同プラントは現在建設中で、2025年に商業運転を開始する予定である。STRATOSが完全に稼動すれば、年間50万トンのCO2を回収できる見込みで、この種のプラントとしては世界最大となる。TD証券との合意に基づき、回収されたCO2は、石油増進回収法ではなく、地中貯留によって貯留される。

【参照ページ】
(原文)1PointFive and TD Announce One of the Finance Industry’s Largest Purchases of Direct Air Capture Carbon Removal Credits
(日本語参考訳)TD、OxyのDACプラットフォームと炭素除去契約を締結

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-18

    EC、サステナビリティ報告に「緊急修正措置」 先行企業の負担を軽減

    7月11日、欧州委員会は欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)に対する的を絞った「緊急修正措置」…
  2. 複雑化する制度を整理:課題別サステナビリティ情報開示の進め方

    2025-7-17

    複雑化する制度を整理:課題別サステナビリティ情報開示の進め方

    サステナビリティ情報開示の実務の“今”に応じたオリジナル解説記事のご案内 サステナビリティ情…
  3. 2025-7-17

    カリフォルニア州、企業の気候情報開示でFAQを発表 – 報告義務の具体策示す

    7月9日、カリフォルニア州大気資源局(CARB)は、州内で事業を行う大企業に温室効果ガス(GHG)…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る