2月7日、環境情報開示プラットフォームCDPが発表した新しいレポートによると、信頼できる気候変動対策プランを開示している企業はわずか0.4%で、18,600以上の企業の気候関連報告の状況を評価している。
CDPは、グローバルな環境情報開示システムを運営しており、投資家やその他のステークホルダーが、気候変動、森林破壊、水の安全保障などの主要な環境サステナビリティ分野における組織のパフォーマンスを測定・追跡することを可能にしている。新レポートは、2022年にCDPに気候カテゴリーを開示した18,606の組織に基づいている。
CDPに報告する組織の数は急速に増加しており、2022年には40%以上増加したが、CDPは提供する開示レベルについて大きな改善の余地があると指摘し、信頼できる気候移行計画を示す21の主要指標すべてに対して開示した企業は、18,600社以上のうちわずか81社であったと報告している。
CDPは本報告書の中で、気候変動対策を「2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を半減し、遅くとも2050年までにネット・ゼロに到達させ、地球温暖化を1.5℃に抑制するという、気候科学の最新かつ最も意欲的な勧告に沿った軌道に向けて、組織が既存の資産、事業、ビジネスモデル全体を軸に戦略を達成する方法を明確に示す期限付きの行動計画」であると定義している。
報告企業の増加にもかかわらず、すべての主要指標で135社が報告したとされる前年の報告書に比べ、信頼できる移行計画を提示している企業は少なかったことが判明した。CDPは、減少の理由について、今年から基準が強化され、1.5℃に沿った計画であること、厳格な目標を持つことが強制されるようになったためと発表している。
さらに、4,100の組織が1.5℃に沿った気候変動計画を策定したと回答しているが、そのうち、株主からフィードバックを集める仕組みがあり、計画を公表していると回答したのは半数以下であった。
信頼できる移行計画を提示したと評価された企業はごく一部だったが、6,520社が2年以内に移行計画を策定する見込みであると報告し、進捗を示した。昨年は、約4,000社が低炭素化移行計画を策定していると報告したのみであった。
また、本報告書では、気候変動対策の主要な要素に照らして、企業の報告の進捗状況を調査している。最も充実していたのは、気候変動リスクと機会に関する情報開示と、気候変動計画を管理するためのガバナンス体制の構築で、それぞれ約33%と24%が十分な情報を開示していた。一方、弱い分野としては、気候変 動を支援するための適切で将来を見据えた財 務詳細の開示があり、その割合はわずか3%、 ネット・ゼロ達成のための十分な戦略の開示はわずか7%であった。
セクター別では、発電と金融サービスが最も開示率が高く、それぞれ38%と35%が主要指標の3分の2以上について報告しているのに対し、アパレル・化石燃料・ホスピタリティのセクターでは最も開示率が低かった。
【参照ページ】
(原文)New CDP data shows companies are recognizing the need for climate transition plans but are not moving fast enough amidst incoming mandatory disclosure.
(日本語参考訳)CDP、信頼できる気候変動対策プランを提示した企業は1%未満と発表