人権NGO、WCPFCに人権保護の強化を要請

6月27日、ヒューマンライツ・ナウ (HRN)、Advocates for Public Interest Law (APIL)、Citizens Institute for Environmental Studies (CIES)、Environmental Justice Foundation (EJF)、Human Dignity Group (HDG)、International Transport Workers’ Federation (ITF)、Serve the People Association (SPA)の7団体は、中西部太平洋まぐろ委員会(WCPFC)に対し、水産物サプライチェーンでの強制労働や人身売買を防止するように求めた提言書を発行した。

漁業、特に遠洋漁業では国境を越えて活動する性質上、政府による監視には特有の課題が存在し、外国籍労働者の乗組員は労働搾取のリスクにさらされやすい。提言書は、WCRFC加盟国、協力的非加盟国、および参加海上領土(CCMs)が人権を保護する義務があると指摘した。

また、各国が人権に対する義務を果たすためには、地域漁業管理機関(RFMO)などの地域機関を巻き込んだ、国境を越えた措置が必要である。さらに、違法、無報告、無規制(IUU)漁業と乗組員の人権侵害は密接な関係にあることから、足並みを揃えた対策の必要性を強調した。

提言書では、ケーススタディを通して人権侵害の実態を示し、WCPFC等による乗組員保護を強化することで、持続可能かつ強制労働を伴わない水産品のサプライチェーンの構築を提言している。

【参照ページ】
【提言書】WCPFCによる太平洋の漁船乗組員の 保護の必要性に関する提言

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る