6月30日、製薬大手のファイザーは、2040年までに温室効果ガス(GHG)ネット・ゼロを達成し、事業活動で95%、バリューチェーンで90%の排出削減を達成するという目標を含む一連の新しい気候変動へのコミットメントを発表した。
ファイザーの新しい目標には、「ネット・ゼロ・スタンダード」の達成も含まれている。本基準は、Science Based Targets initiative (SBTi) が昨年立ち上げたもので、2050年までに90~95%の脱炭素化を実現し、まだ削減できない残留排出物を中和するなどの厳しい基準を通じて、ネット・ゼロ排出を達成するという企業の約束を評価・認証するものである。ファイザーは、要求事項よりも10年早くこの基準を達成することを目指している。
本目標を達成するために、ファイザーは化石燃料からの脱却を加速させ、サプライヤーと協力して同等の行動を取ることを目指している。ファイザーは、製造、研究開発、商業活動の需要に見合う熱と蒸気の生産を化石燃料を使わずに可能にする技術を開発するためには、パートナーの行動と革新が必要だ。また、保有する車両をハイブリッド車やEVに移行する計画も発表している。
同社はまた、米国保健社会福祉省(HHS)が、米国の医療システムの関係者にGHG排出量の削減と気候変動に強い医療インフラの構築を呼びかける誓約書に署名している。これを通じて、ファイザーはGHG排出量の削減、進捗状況の報告、気候変動に強い計画の策定を約束する。
2020年、ファイザーは、2030年までにカーボンニュートラルとなり、スコープ1および2のGHG排出量を2019年を基準として2030年までに46%削減するという、これまでのGHG排出量目標を設定した。同社は、2040年の新たな目標に向けた中間マイルストーンとして、2030年までにScope 1と2のGHG排出量を46%削減することに引き続き取り組むと表明している。
【参照ページ】
(原文)Pfizer Announces Commitment to Accelerate Climate Action and Achieve Net-Zero Standard by 2040
(日本語訳)ファイザー、2040年ネット・ゼロへのコミットメントを発表