英国、ネット・ゼロ移行における金融セクターの役割を検証

英国、ネット・ゼロ移行における金融セクターの役割を検証

5月30日、英国議会の環境監査委員会(EAC)は、イギリスのネット・ゼロ移行における金融セクターの役割について、グリーンエネルギー移行への業界の貢献や化石燃料採掘への融資の縮小などの調査開始を発表した。

本調査において、EACは、化石燃料プロジェクトへの融資に対する企業のアプローチや化石燃料の採掘を減らすための道筋、再生可能エネルギーの発電・配電・貯蔵などの分野への投資計画、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー投資計画への影響、化石燃料資産の責任ある廃棄への道筋など、いくつかの主要分野において業界からの提出を求めている。

今回のイニシアティブの重要な焦点の1つは、移行におけるグラスゴー・フィナンシャル・アライアンス・フォー・ネット・ゼロ(GFANZ)の役割検討である。GFANZは2021年4月に発足し、ネット・ゼロ資産運用者イニシアティブ、ネット・ゼロ資産保有者アライアンス、ネット・ゼロ銀行アライアンスなど、気候変動に焦点を当てた複数の金融セクターのグループを結集している。11月のCOP26気候変動会議で、GFANZ議長で国連気候変動対策・金融特使のマーク・カーニーは、GFANZのイニシアティブへの署名者が130兆ドル(約1.5京円)、世界の金融資産の約40%に達したと発表した。

【関連記事】ネット・ゼロを目指す金融連合GFANZ、COP26にて進捗を報告。参画機関の資産は約1.5京円に

【参照ページ】
The role of the financial sector in the UK’s net zero transition to be examined by MPs in new inquiry

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-15

    ESGフロントライン:移行計画の“実行力”が企業価値を左右する時代へ

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-7-15

    ESRS開示項目66%削減案へEFRAGが草案公表。ダブルマテリアリティ評価も負担軽減

    7月、欧州のサステナビリティ報告基準を策定する欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、欧州サステ…
  3. ISSB×SASBスタンダード改訂:実務対応の整理とステップガイド

    2025-7-11

    ISSB×SASBスタンダード改訂:実務対応の整理とステップガイド

    2025年7月に公表されたSASBスタンダードの改訂案は、IFRS S2の産業別ガイダンスと連動す…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る