Aviva Investors、約7兆円の実物資産ポートフォリオの炭素強度を25%削減

Aviva Investors、約7兆円の実物資産ポートフォリオの炭素強度を25%削減

5月30日、Aviva plcのグローバル資産運用部門であるAviva Investorsは、470億ポンド(約7兆円)の実物資産プラットフォームのネット・ゼロ移行に向けた進捗状況を発表した。同社が直接投資の炭素強度を約25%削減し、2025年までに気候変動に焦点を当てた融資10億ポンド(約1,600億円)を行うという5年間の目標を上回ったことが明らかになった。

【関連記事】Aviva Investors、1,600億円越えのサステナブル・トランジション・ファイナンスを達成

今回の発表は、Aviva plcが昨年発表した以下のコミットメントに続いて行われたものである。

  • 2040年までにScope1、2、3の炭素排出量をネット・ゼロにする
  • Aviva Investorsが同年までに同社の不動産プラットフォーム全体でネット・ゼロを達成する
  • 2025年の中間目標として、低炭素・再生可能エネルギーインフラへ25億ポンド(約4,000億円)投資する
  • 低炭素・再生可能エネルギー発電能力を15億kWへ増加する
  • 不動産の炭素強度を30%、エネルギー強度を10%削減する

最新版では、2025年の中間目標に対する同社の成果を紹介している。低炭素・再生可能エネルギーインフラおよび建物への14億ポンド(約2,200億円)の融資、再生可能エネルギー容量の合計110万kWへの拡大、気候変動に焦点を当てた不動産ローンの10億4000万ポンド(約1,600億円)の組成、気候変動不動産ファンドの設立、炭素強度を25%削減し、直接投資のエネルギー強度を6%減少させることなどが盛り込まれている。

また、報告書は、投資家がネット・ゼロ・パスを追求する際に直面するいくつかの課題も取り上げている。主な課題としては、機関投資家のプライベートクレジットや不動産取引において、一般的にESG関連データがほとんど提供されないという透明性の欠如、グリーンビルディングのストックの不足、グリーン資産に対する競争の激化によるグリーンプレミアムの発生などが挙げられている。

【参照ページ】
(原文)Aviva Investors makes strong progress towards net zero targets for Real Assets business
(日本語訳)Aviva Investors、リアルアセット事業でネット・ゼロ目標に向け大きく前進

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る