米政府、クリーンカー減税でガイダンス案発表 中国製排除でエネルギー安全保障強化

12月1日、米国財務省および内国歳入庁(IRS)は、インフレ抑制法(IRA)のクリーン自動車条項に関するガイダンス案を発表した。本条項は、消費者のコストを引き下げ、米国製造業の好況に拍車をかけ、同盟国やパートナーとともに強靭なサプライチェーンを構築することでエネルギー安全保障を強化するものである。IRAが制定されて以来、米国のクリーンカーとバッテリーのサプライチェーン全体で、1000億ドル(約14兆円)近い民間投資が発表されている。

本規則作成提案公告(NRPM)は、IRAの懸念外国企業(FEOC)要件について明確性と確実性を提供するものである。米国のサプライチェーンの安全性を強化するため、2024年以降、対象となるクリーンカーは、FEOCによって製造または組み立てられたバッテリー部品を含んではならない。また2025年以降、対象となるクリーン自動車は、FEOCによって抽出、加工、リサイクルされた重要鉱物を含んではならない。今回NPRMに関連して、エネルギー省はFEOCを定義するガイダンス案を発表した。

FEOC要件に加え、クリーンカーは、車両に含まれる重要鉱物とバッテリー部品の両方の追加調達要件、車両が北米で最終組み立てを受ける要件、車両がバン、ピックアップトラック、スポーツ用多目的車のメーカー希望小売価格が8万ドル(約1,100万円)、その他の車両のメーカー希望小売価格が5万5,000ドル(約800万円)を超えない要件など、追加の法定基準も引き続き満たさなければならない。

【参照ページ】
(原文)Treasury Releases Proposed Guidance to Continue U.S. Manufacturing Boom in Batteries and Clean Vehicles, Strengthen Energy Security
(日本語参考訳)米政府、クリーンカー減税でガイダンス案発表 中国製排除でエネルギー安全保障強化

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る