11月11日、グリーンエネルギー開発会社TESカナダは、カナダ・ケベック州における40億カナダドル(約4,392億円)のグリーン水素プロジェクト「Projet Mauricie」の立ち上げを発表した。
水素は、クリーンなエネルギーの未来への移行における重要な構成要素のひとつと考えられており、特に、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる解決策が現実的でない、排出削減が困難な産業部門や運輸部門にとって重要である。現在、世界全体で約9,400万トンの水素が生産されているが、その大部分は化石燃料を使って採掘されているため、汚染物質や温室効果ガスが排出されている。
他の物質から水素を抽出するプロセスに再生可能エネルギーを使用するグリーン水素のようなクリーンな水素製造能力の開発には、インフラ、電解、輸送、貯蔵などの分野で大規模な投資が必要となる。
TESによると、投資は電解槽の建設と再生可能エネルギー生産資産に集中する。プロジェクトに必要なエネルギーの大半は1GWの風力・太陽光発電所から供給される予定で、ケベック州の送電網に依存する必要性を最小限に抑える。同施設は、2028年までに7万トンのグリーン水素を生産し、ケベック州のエンドユーザーに供給する予定で、年間80万トンのCO2排出量削減を目指している。
同社によると、同施設で生産されるグリーン水素の約3分の1は、長距離輸送の脱炭素化に充てられ、残りは電気再生可能天然ガス(e-NG)の生産に使用される。
ケベック州は、2030年までに1990年比で37.5%の排出量削減、2050年までにカーボンニュートラルを達成するなどの気候変動目標を掲げている。TESによると、新プロジェクトは同州の2030年目標の3%達成に貢献する。
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(参考記事)Canada firm to build C$4 bln green hydrogen project in Quebec -source