EU、森林破壊規制の適用を1年延期へ—企業の準備期間を延長

11月14日、欧州議会は企業が森林破壊規制に対応するための準備期間を1年延長することを決定した。これにより、EU内で販売される製品が森林破壊に関連しないことを保証する同規制の適用開始が、2024年末から延期される。

欧州委員会は、加盟国や非EU諸国、貿易業者からの準備不足に関する懸念を受け、規制適用日を2025年12月30日に延期する提案を行った。これにより、大規模事業者は2025年12月30日、小規模事業者は2026年6月30日までに規制を遵守する必要がある。今回の延期は、規制の円滑な実施を確保しつつ、規制の目的を損なわないことを目的としている。

さらに、議会は新たに「リスクなし」カテゴリーを設ける修正案を採択。このカテゴリーに属する国は森林面積が安定または増加しており、森林破壊リスクが極めて低いため、規制が大幅に緩和される。欧州委員会は、2025年6月30日までに国別ベンチマーク制度を確立する必要がある。

【参照ページ】
(原文)EU deforestation law: Parliament wants to give companies one more year to comply
(日本語参考訳)EU森林伐採法:議会は企業に1年の追加猶予を与えることを望んでいる

関連記事

“CSAセミナー"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-3-27

    【GPIF発表】「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」選定結果

    3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式の運用を委託している運用機関に対…
  3. 2025-3-24

    CDP、ESRS報告基準との対照表を発表

    3月18日、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)と国際的な非営利団体であるCDPは、欧州サステナ…

““登録02へのリンク"