国連AI科学パネル、AIリスクと統治空白に警鐘 偽情報・人権侵害・制御や信頼性に関する課題を重点指摘

7月、国連の「AIに関する独立国際科学パネル」は、AIの機会、リスク、影響に関する予備報告書を公表した。報告書は、AIの能力が急速に進化する一方、測定・評価・ガバナンス体制が追いついていないと指摘した。
AIは科学、医療、教育、農業などで活用が進み、AlphaFoldは2億超のタンパク質構造を予測し、世界で300万人超の研究者に利用されている。一方、対話型AIの週間利用者は世界で10億人を超えるが、利用や開発能力は国・地域間で大きく偏る。世界上位500のAI計算クラスターの計算能力は米国が75%、中国が15%を占める。
報告書は、エージェント型AIの拡大を重要な転換点と位置づける。自律的に計画・実行するAIは、科学研究やサイバー防御に利点をもたらす一方、サイバー攻撃、偽情報、制御や信頼性に関する課題、子どもの権利侵害、精神的被害などのリスクも伴う。AIが生成する偽情報やディープフェイクは、公共の信頼、社会的結束、民主的議論を損なう可能性がある。
同パネルは、AIの利益を引き出しリスクを抑えるには、独立した評価、透明性、人権に基づく影響評価、加盟国の技術的能力強化が不可欠だとした。今後、AIと環境、子どもの安全、AIガバナンス手段などに関するテーマ別報告を発行する予定である。
原文:Preliminary Report of the Independent International Scientific Panel on AI
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